2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧
ヴォネガットのエッセイを読むのは、これが初めてだ。 いつ買ったのかももう覚えていない。 様々なエッセイやら講演録やら含まれているが、小説と変わらない、いつものヴォネガット節とも言える。 その中でも特に、ビアフラに関するエッセイは、白眉だ。 (…
どうしても、この対話篇が気になって、改めて買い直した。 この対話篇でのソクラテスは、ちょっといかれている。 どうみても、プロタゴラスの方がまともだし、人としての器が大きい。 ソクラテスから問いかける一問一答で、A=Bならば、B=Aだろうと論理…
ずっと以前から知っていたのに、手が出なかった本だ。 この本の存在を知ったのは、恐らく大学生の頃だ。 栗本慎一郎か、バタイユからたどり着いたのだろう。 評論を読んでしまうと、その対象を読んだ気になってしまいがちだ。 だが、やはりそれは読むべきな…
なぜ本を読むのか。 読みたい本があるから読んでいる、というのもあるのだけれど、それだけではない。 それは、曰く言い難いのだけれど、読みたいだけでは続きはしない。 なぜ山に登るのかと訊かれて、そこに山があるからと答えた登山家がいたようだが、そこ…
江戸に留学中。 とは言え、石川淳や永井荷風、杉浦日向子といった先人には遠く及ばず、ぶらぶら散歩する程度のものだ。 この本は様々な人のエピソードを綴ったもの。 必ずしも、ストレンジだったり、クレイジーだったりはしない。 むしろ、忠孝義に秀でた人…
これでブローティガンの日本語で読める本は全て読んでしまった。 どんな話かと言うと、何とも説明がし辛いが、馬鹿騒ぎと虚しさの物語だと言ってみる。 ビッグ・サーに住むリー・メロンと彼に出会った語り手のジェシー、そしてリーのパートナー?のエリザベ…
自分の中でどうした訳だか、江戸文学ブームが来ている。 柏木如亭は文政期の漢詩人である。 この本は様々な食べ物と、それにまつわる旅の思い出を書き記した随筆とでも言えよう。 短い文章の中にちらちらと見える食道楽っぷりと、寄る辺の無さそうな旅の思い…
松尾芭蕉の弟子たちによる俳諧論議である。 が、俳句を語れるほど通じているわけでもないので、ふーんそうか程度の感想しか出てこないのは、教養の足りなさの表れだろう。 それでも、何とか読み通してみる。 きっかけは去来が其角へ宛てた不易/流行の論議で…
この歳にもなって、バルザックを読んでいなかったのはどうかと思う。 だが、最初に読むバルザックの作品がこの本であるのも、どうかと思う。 いずれにしても王道を通れないのだから、通れる道を通るしかあるまい、と開き直ってみたところで、教養の浅さを誤…
果たしてこの本が随筆なのかどうか、読み終わってからさえも疑問ではあるのだけれど、さすれば随筆とは何ぞやと疑問を呈してみたところで何ら答えを持ち合わせているわけでもなく、日常の細々とした事を徒然に書き散らすものだけが随筆とは限らないのだから…
古今東西の想像上の動物のコレクションである。 こういう本は、何か調べ物で開くか、純粋に暇つぶしで読むかのどちらかだろう。 もちろん、今回は後者で、正月休みの間にちょこちょこ読み耽っていた。 感想を書くのはどうにも難しい。 あえてひとつ紹介する…
2013年の読初めは、H・G・ウェルズのタイムマシンから始めよう。 この本は、中学生の頃、小岩の古本屋で100円で買った。 今もあの古本屋があるのか判らないが、小遣いを握り締めてチャリを飛ばして、買いに行った思い出がある。 街中にある小さな古本屋で…