2023-01-01から1年間の記事一覧
再び読んでみた。 前に読んだのは2年前の7月だった。 何となく面白かった記憶だったけれど、読んでみたらこんな内容だったっけ、と思った。 記憶は美化される、ということだろうか。 ファナティックなアジテーションで、衰退する日本を憂う、という内容だが…
何となく気になっていたので、図書館で予約していたのだけれど、酔っぱらって寄ったブック〇フにあったので買った。 小説もそうだったが、若い頃の焦燥感みたいなものと、諦念のようなものが、上手いバランスで表れているように思った。 全然違う人生なのに…
久しぶりに村上龍氏の小説を手に取った。 そして、「ハローワーク」と読み違えていたことに気づいた。 60歳前後の主人公たちの物語である。 まぁ、若い頃は読まなかったろうな、と思ったが、自分が若い頃は作者も若いので、このような作品は書かなかったろう…
山田風太郎の名前は聞いたことはあっても、実際読んだことは今までない。 推理小説や時代小説が好きだったら通る道なのかもしれないが、ちょっと昔の大衆小説という気がするので、最近の若い人たちも読まないのかもしれない。 いきなり物語の世界に飛び込む…
田村隆一のエッセイに登場していたので借りてみた。 イギリスのミステリー作家らしいが、ミステリー的な話は少なかった。 どちらかというと不思議なテイストの短編小説だと思った。 誤解を恐れず言うなら、ちょっとおしゃれ系な雑誌に紹介されるような小説で…
何もない日の午後に読みたい本は何だろうかと本棚を眺めて手に取った。 買ったのは1998年12月31日の旭屋書店銀座店。 なぜ分かるかというと、レシートが挟んであった。 今はもう無いらしい。 四半世紀前に買った本だったが、書かれたのは更に20年ほど前の197…
何となく田口ランディ氏を手に取った。 というのも、前に買ったはずの本が、家の本棚に見つからなかったからだ。 タイトルに何となく惹かれた。 が、読んでみて、やはりちょっと苦手だと思った。 どこをどうも言うことでもないが、おそらく今まで身近にはい…
タイトルの通り、村上春樹氏が所有しているTシャツを紹介する雑誌の連載をまとめたもの。 Tシャツの写真にそれぞれのエピソードやらちょっとした小ネタの文章が添えられている。 軽く読める本。 あとがきは野村訓市氏が聞き手になってインタビューしている。…
久しぶりに村上龍氏のエッセイを読む。 「すべての男は消耗品である」を手に取ったのは、大学生の頃だったかと思うと、かれこれ約30年前である。 その間も村上龍氏の文章は見かけたこともあると思うが、あまり記憶に残っていない。 小説は何冊か手に取った。…
深夜ラジオで、著者がパーソナリティを務めている番組があって、夜中に目を覚まして何度かうつらうつらと聞いたことがある。 この本は150頁ほどで、あっという間に読めたが、内容は何とも消化しがたい。 読んで思い出したのは、田口賢司「ボーイズドントクラ…
坂本龍一氏の自伝である。 とはいえ、2009年に語っているので、それ以降の3.11や闘病生活等は語られていない。 知っていらエピソードもあれば、知らなかったエピソードもある。 こうしてまとめて読んでみて、坂本龍一氏は劣等感に対して色んな努力をして成し…
ふと読み返してみた。 高橋悠治氏と坂本龍一氏が、ホテルの内線電話越しに対談をしている本。 YMOが散開した頃、坂本美雨氏が子供で、両親の曲を聴かされて踊るエピソードが登場する。 若い人たちに関してとか、海外についての印象とか、当時から見た未来の…
短編集も読んでみた。 貧乏と性欲が主軸になって、皮肉めいた笑いがあるように思ったが、その感覚はあまりピンとこなかった。 まぁ、そういうこともあるだろう。 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他 (角川文庫) 作者:藤澤 清造 KADOKAWA Amazon 藤…
西村賢太氏からの流れで藤澤清造を知る。 私小説というか、狂人をモデルにした独白体の小説、といえばいいのか。 主人公が自殺してしまった友人の話を、友人の兄に語るのが大半で、そこに主人公の独白が交じる。 友人の奇行は、ある種、ユーモラスに描かれる…
タイトルだけで借りてみた。 波平さんの不慮の逝去によって磯野家のゴミ屋敷問題、遺産相続問題が明らかになる、というハウツー本だった。 と言っても、ふざけているのではなく、いたって真面目である。 磯野家という家族システムのその後という設定が秀逸だ…
引き続き、西村賢太氏を読んでみる。 江戸川区の出身で、たぶん歳は少し上、バブルや東京の西とは距離のある感じで、なんとなく近しい感じがする作家が、どんな東京を見ていたのか気になった。 取り上げられている町、語られる言葉、どちらも私小説作家らし…
初めて読んだ。 名前は知っていてもなかなか手が伸びなかったのは、私小説だからに他ならない。 私小説というサブジャンルは昔から何となく遠ざけていた。 内面の吐露という、作者のはらわたを見せられているような文章は、つい好きか嫌いかで判断してしまっ…
以前読んだことがある気がしていたのだけれど、実は初見かもしれない。 ねじめ正一氏を知ったのは、10代の頃だと思う。 当時は現代詩を読み漁っていたので、自然と辿り着いたと思う。 とはいえ、詩と小説は全く異なっている。 記憶の中の印象ではあるが、句…
何となく図書館で手に取ってみた。 橋本治氏からの太宰治氏、という訳でもない。 そんな駄洒落で読む本を選んでいたとしたら、それはそれでちょっと自分を見直したい。 恐らく生涯で読む太宰治の5冊目ぐらいの感じだと思う。 あまり好きではないどころか、…
この本もまた図書館で借りた。 タイトルが全て「かな」っていうのも人を食った付け方だと思うが、やはり現代史の総括&ノスタルジーが続いていて、痛々しくなってくる。 そんな中でも見るべきところがあるとしたら闘病や老いに関するところだろうと思った。 …
橋本治氏が残した言葉にどう思っているのかを検証する。 正直なところ、この本は9割退屈だった。 現実世界や歴史に対して、実はこうなんです、要するにこうなんです、といった言説は、ただの言い換えに過ぎないし、出オチの浅薄さにも似ている。 今さらに西…
何となく借りてみた。 9.11に関する23人の意見を編んだ本。 どういう基準で選ばれているのか分からないが、たった23人でさえ異なる意見があるのだから、恐らく数限りない意見があるに違いない。 様々な立場があって、様々な見方があると思うのだが、意見を述…
ふとした瞬間に、橋本治氏のことを思い出したので、図書館で借りてみた。 10代から20代前半までの頃に読んだが、それ以降は全く手に取らなかったので、およそ30年ぶりだろうか。 現在はどんな活動をしているのかと思ったら、2019年に逝去されていた。 今更だ…
気になったので、図書館で借りてみた。 ジョークとは何だろうか、ということを考えていて、アメリカンジョークが有名だけれど、ロシアンジョークはあるのかと思ったら、そんな本があった。 要するに、それぞれの歴史や慣習、有名人をネタにするのが、○○人ジ…
とても面白かった。 1970年の大阪万博を起点に、1945年の広島爆心地、そして幻の皇紀2600年万博に言及し、美意識の根底にある「未来」という幻想、そして「環境」という考え、万博と戦争をつなぐ様々な要素を巡っている。 この本を要約するのは難しい。 登場…
永井荷風作と伝えられる「四畳半襖の下張」が含まれているので買ってみた。 さすが永井荷風という文章だが、荷風調を真似してる感も否めない。 その他、室生犀星や、森鴎外や、どうしてこれが?という作品もある。 個人的には、「四畳半襖の下張」が読めただ…
一言で言うなら、ふざけた本である。 酒呑みによる、酒呑み中心の論理で書かれたエッセイだ。 たぶん、酒を呑まない人からしたら、屁理屈、こじつけ、言いがかりに見えるかもしれないが、酒を嗜む身からしたら至極真っ当な話ばかりである。 当然、酒を嗜むの…
ふらっと入ったブッ〇オフで買った。 ある日突然、宇宙のハイウェイ建設のため、地球が消滅して、から始まるドタバタコメディ、スラップスティックなSF。 くだらない部分も多く面白い。 解説にもあったが、笑いのツボが日本とは異なる、というのは思った。 …
ふらっと寄ったブッ〇オフで購入。 キヨシローが亡くなったのは2009年だが、当時はほとんど聴いたりはしていなかった。 RCサクセションを知ったのは、小学生の頃にタモリのラジオで聴いた「トランジスターラジオ」だったと記憶している。 この本は、キヨシロ…
気になったので図書館で借りてみた。 コーヒーの歴史から、江戸時代の長崎におけるコーヒーの伝播、そして近代のカフェまで網羅的に言及している本である。 長崎まで行き文献に当たったり、訪日外国人のコーヒーに関する記述、海外漂流者のコーヒーに関する…