2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧
短いながら、なかなか面白いエッセイだ。 恐怖とは何かを考察するのではなく、恐怖する実例を挙げていくだけだ。 その中身について書いてしまうと、ネタバレになるのでここでは引用しない。 なるほどと思うものもあれば、そうだろうかと思うものもある。 何…
フィクションではない海野十三を読んでみようかと思って、これを見つけた。 タイトルの通り、警察の司法解剖を見学した際のことが書かれている。 どういう経緯で書かれたのか、何の雑誌に発表されたのかわからないが、野次馬的な、読者の興味を惹こうとする…
他の本も読んでいるのだけれど、スマホで読める青空文庫は意外と重宝している。 海野十三は本屋で探しても見つからないのだが、青空文庫にはそれなりに収録されている。 この本は昭和初期の東京を舞台とした探偵小説だ。 タイトルから推測できる通り、怪奇趣…
性懲りもなく、森鴎外を読む。 軍人の主人公と使用人の諍いの話、とでも言おうか。 描かれる使用人たちの姿に、鴎外の悪意のようなものを感じる。 卑俗で狡すっからい庶民みたいな姿は、一体何なのか。 かと言って、軍人に肩入れしていると言うわけでもない…
森鴎外を青空文庫で読む。 やはり自分は漱石の方が読みやすい。 だがそれは、鴎外の良さに気付けていないからなのだと考える。 例えばこの話は、魚玄機の業の深さのようなものが、主題の様な気がするのだけれど、それを見ている鴎外の視線が気になってしまう…
古本屋で見つけて、衝動買いした。 なぜ過去は斯くも恥ずかしいものなのか、と私は思っているのだが、谷川俊太郎氏は易々とそれを提示してしまっている。 本当は易々とではないのかもしれない。 10代の恥ずかしさとは違う、20代の恥ずかしさ、くだらなさ、駄…
恐らく20年ぐらい連載しているのだろうか。 その中でも、この話は初期の方に登場する。 かなり重たく、そして残酷な話だ。 あらすじを以下に記す。 読みたくない人は飛ばしていただいた方が良い。 ここからがあらすじである。 友人を訪ねて老人ホームに訪れ…
実はKindleではなく、Koboアプリで読んだのだが、まあいいか。 時事ネタを書き流している感じの随筆。 だが、その舌鋒は鋭く、容赦ない。 いつもの安吾節だ。 終戦後の新宿、上野、熱海、伊東、新小岩といった辺りが登場する。 安吾巷談 01 麻薬・自殺・宗教…
また読み返してみる。 現代詩に対する最も良質な入門書のひとつだと思っている。 詩を読むための助走のように、この本を開いている気がする。 つまり、詩というスピリッツを呑む前に、水割りで舌と胃を馴らしておくようなものかもしれない。 この本を読んで…
どうやら、ラフカディオ・ハーンを誤解していたようだ。 どこかで、ヴェンセスラウ・デ・モラエスと混同していたのだと思う。 しかも、どちらがどうだったのか忘れているような始末の悪さだ。 ともあれ、ハーンを読んで思ったのは、案外、政治的な言説が多い…