雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

美神の館/オーブリ・ビアズレイ

ビアズレイと言えば、19世紀末のデカダンスなモノクロのイラストだろう。 サロメ、アーサー王の挿絵は良く知られているだろう。 この本は、ビアズレイが書いた小説である。 タンホイザーがウェヌスの館を訪問し、豪華な宴と、放埓な情事を繰り出す小説である…

硝子障子のシルエット 葉篇小説集/島尾敏雄

めっきり涙もろくなったものだと思う。 この本は、島尾氏が東京都江戸川区小岩に住んでいた頃の、家族の思い出を中心にした短篇が収められている。 島尾氏の特徴でもある、現実と幻想の境界の薄明を記述するような文体は控えられ、些細な日常が愛おしく、ま…

背徳者/アンドレ・ジッド

いつ頃読んだのか、もう定かではない。 だが、ジイドについて誰かと話したことは無い。 古本屋を巡ってまで、何冊か買い漁っているのだから、高校生の頃に読んだと思われる。 そうしてまで読んで、大事にとってあったのだから、何かしらの感銘を受けたのだ。…

妖怪なんでも入門(入門百科シリーズ32)/水木しげる

小学生の頃、読み耽った本。 夏休みには、「ゲゲゲの鬼太郎」の再放送も見ていた。 夢子ちゃんだかを守って戦う正義の味方ではなく、人間界と異界との境界線上の存在だったと思う。 エンディングの歌では、下駄が独りで歩いて遠ざかってゆく姿が、何とも哀し…

薔薇の葬儀/アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ

マンディアルグについて何か書こうとしても、特に思い当たらない。 そもそも、マンディアルグの小説が、シュルレアリスムであるのかどうか、判断に迷うところがある。 この本は最晩年の短篇集だ。 それぞれの作品に籠められた暗喩を解説しても、それは作品を…

カエルの死/夢枕獏

本棚の片隅に眠っていたのだけれど、本棚の整理と共に引っ張り出して読んでみた。 今や「エロスとバイオレンスとオカルトの作家」(と本人が語っていたと、Wikiに記載がある)なのだけれど、この本はタイポグラフィックの本である。 1977年に筒井康隆氏主催…

ジャスミンおとこ/ウニカ・チュルン

なんとも哀しい本である。 狂気と正気を行き来する中で綴られたとも思える手記には、理解ができない箇所も多いが、強迫観念的に連ねられる意味やイメージが、読み手に哀しさを想起させる。 なぜ、彼女がそう思うのかは、ほとんど理解できない。 だが、そう思…

脱会議/横山信弘

たまには仕事の本を読む。 確かに意味不明な会議がある。 会議を無くせば、コミュニケーションも効率も良くなるだろう。 だがそれが持続的な効果がある策なのだろうか。 一時的な目くらましでしかない気もする。 恐らく、会議を開きたい声が出てきて、やがて…

松浦寿輝詩集

詩が読みたい、というのはどういう欲求なのか。 松浦寿輝氏は、今や芥川賞作家であり、評論でもあれこれ話題を振りまいているらしい。 興味が無いので、正確なことや詳しいことは知らない。 ともあれ、松浦寿輝氏の詩集「ウサギのダンス」が読みたくなったの…

ウォー・フィーバー 戦争熱/J・G・バラード

本棚を眺めていて、何となく目に留まったので、読んでみる。 奥付を見ると、1992年に出版されたようだ。(ということは、20年前か…) この本は、バラードの1975年から1990年に発表された短編が収められている。 表題作の「ウォー・フィーバー」は、どことな…

ボルヘスとの対話/ホルヘ・ルイス・ボルヘス、G・シャルボニエ

フランス国営放送で流された、ボルヘスへのインタビューを本にしたもののようだ。 したがって、フランス向けにボルヘスを紹介する意図もあるためか、文学に対する考えを聞いたり、作品に対する自己解説も行っている。 だから、読み終わってみると何だか物足…

古本屋の手帖/八木福次郎

思うところあって、借りてみたのだけれど… 何と言うか、あまりにかけ離れた世界のような気がした。 登場する人々は殆ど判らない。 (さすがに、作家や評論家は、ぼちぼち判るけれど・・・) 古本屋は好きなのだけれど… 難しいものだ。新編 古本屋の手帖 (平…