2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧
本について書かれた本について書くのは、どういうことか。 本について書くのは、どの本を選ぶか、その本をどのように書くのか、ということであり、本について書かれた本について書くのは、その術を知る、または再認識することなのではないだろうかと思ってい…
ギャラリストという職業をこの本で知った。 画商とは異なり、アーティスト側に立って、育てていくということのようだ。 この本では、 ・ギャラリストの仕事 ・アーティストはどこにいる? ・投資を考えている人へ ・アートを買ってみる ・アートビジネスの展…
バイクでのツーリングの醍醐味の一つに、地図を見ながら走行ルートを考える、というのは含まれていると思う。 だから、出発前に全ルートを決めてしまうのは、席に着いた途端にコース料理を全て食べようとしてしまうようなものだ。 地図を見ながら、迷いなが…
森村泰昌氏は自らが仮装し名画になるポートレイトを作成する美術家である。 当初、シミュレーショニズムとも称されていたような気がする。 この本は、森村氏の自己解説であり、現代美術に関する森村氏の解説でもある。 まず、「モナ・リザ」に扮するための分…
ある試みが成功であったかどうかは、何を以て判断するのだろうか、と考えたときに、例えば読み手に何をか残せたかどうかというのはあるだろう。 ただ、その読み手が本の著者が想定しているイメージと重なり合うとは限らない。 読み手それぞれによって評価が…
酒を呑んでいる時の馬鹿話は好きだ。 というか、むしろ馬鹿話しかしたくない。 深刻な悩みを聞きながら呑む酒はどんな味だか知らない。 この本は古代ローマの著述家プルタルコスが、宴会で話した話題を集めた、という体の随想集とでも言うべきだろうか。 全…
もし、石川淳を知らないなら、この本は読まない方が良いだろう。 石川淳は知らないが、取り上げられる人々に興味があったとしても、読まない方が良いだろう。 この本は、小林如泥、算所の熊九郎、駿府の安鶴、都々一坊扇歌、細谷風翁、井月、鈴木牧之、阿波…
何となく食べ物の本が読みたくなる。 かと言って、吉田健一や内田百けんを読みたい気分ではない。 高橋睦郎の「詩人の食卓」もふと頭をよぎったが、今回は止めておこうと思った。 それで、結局、杉浦日向子に手が伸びてしまう。 この本は、「柳多留」から選…
何となく、カート・ヴォネガットが読みたくなって、あれこれ本棚から引っ張り出しては拾い読みをして、これを選んだ。 出だしはヴォネガット自身が、第二次世界大戦におけるドレスデン爆撃についての本を書こうと思い立ち、再訪するいきさつなど語られる。 …