2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧
自分がこうして向田邦子を読んでいるなんて、10代の頃には夢にも思わなかった。 この本は4篇の短編小説とその他エッセイを集めたものだ。 向田邦子は好きかと訊かれても、特に好きでもないと答えるだろう。 だが、なんでもない日常の表面のざわめきのような…
図書館でふと借りてみようという気になった理由はわからない。 だがそういった直観は時に正しい選択をするものだ。 久しぶりに村上龍の小説が面白いと思えた。 そして、たぶん最初に読んだ「限りなく透明に近いブルー」を思い出した。 この物語の粗筋は、こ…
図書館で借りてみた。 「オベリスク備忘録」で、この著者のことを紹介されていたのを読み、ちょっと興味が湧いたのだった。 ともあれ、読んでみたのだが、いまいち消化不良だ。 残念ながら、紹介したり、感想を書いたりすることが出来ない。 この著者の言っ…
本棚の片隅から取り出してみる。 実は連載当初の印象があまりない。 当時、モーニングを買っていたはずなのだが、記憶に残っていなかったようだ。 とは言え、当時住んでいたマンションの近所の古本屋で見かけて、つい買ってしまったのだから、全く覚えていな…
赤瀬川原平氏をひと言で言うなら、現代芸術家なのだろう。 しかし、何か違う。 言い表せていない部分が大きすぎるような気がする。 では何と言えば、上手く言い表すことが出来るだろうかと考えたときに、パロディストなのだろうと思う。 現代芸術の先端から…
この本はジョージ・オーウェルによる、1936年のスペイン内戦の記録である。 スペイン内戦は、他にもピカソの「ゲルニカ」、ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」、キャパの写真などでも知られているだろう。 オーウェルは反ファシズムの義勇兵として参加…
何年ぶり、いや何十年ぶりに手に取ったのだろうか。 特に思い入れは無いのだけれど、何となく本棚に残っている。 最近の若者は北原白秋など手に取るのだろうか。 いや、自分の年代でさえ手に取らない気がする。 そう思うと、近代詩というのは、いったい誰が…
少し前のことになるが、赤瀬川原平氏が亡くなった。 だからというわけでもないけれど、久しぶりに読み返してみた。 まるで赤瀬川原平の人生の総括のような本だと思った。 この本で触れていないのは、「新解さん」と「櫻画報」ぐらいなのではないだろうか。 …
何となく読み返す。 もう最近はねこぢるを読む人もいないのではないだろうか。 それとも、一部に熱狂的なファンでもいるのだろうか。 ともあれ読み返してみた。 「たましい」「ひるね」「かぶとむし」の3篇は、ねこぢるにしか描けないんじゃないかと思う。 …
初めて読んだ三島由紀夫は、澁澤龍彦の日本文学アンソロジー「暗黒のメルヘン」に収められていた「仲間」だったかと思う。 恐らく高校生の頃だろうか。 あの頃は三島由紀夫は学校では教えていなかったっけ。 近代文学までがせいぜいで、現代文学は扱いきれな…
少し前に手に入れてたのだが、やっと読み終えた。 吉田健一の連作短編集である。 何となくではあるが、この本を良いと言ってしまうことは悔しいのだ。 読み通してみると「旅の時間」というタイトルも納得である。 この本には、生死にかかわるような大問題も…