追憶
死について、とあるオンライン講座を受けていて、その中の参考文献にあった本を図書館で借りてみた。 この本は素晴らしいノンフィクションである。 しかし、3.11について、私自身が語る言葉がまだ無い。 津波の霊たち 3・11 死と生の物語 (ハヤカワ文庫NF) …
もう1冊、高橋幸宏の本を読む。 こちらは60歳の時に、自らの音楽活動、影響を受けた音楽について語ったものを編集した本である。 音楽家としての自伝的なものでありつつ、ディスクガイド的でもある。 そして、先のエッセイに比べると格段に読みやすいのは、…
久しぶりに本屋に行ったら、高橋幸宏のエッセイが文庫になっていた。 YMOの坂本龍一、細野晴臣の本は何冊か読んでいたけれど、高橋幸宏の文章を読むのは初めてだと思う。 元の連載が90'sの頃だったようだが、2025年の今から見ると、どことなく昭和軽薄体のニ…
藤井保を知ったのは、「ニライカナイ」という写真集だった。 たぶん本屋の店頭で見かけたのか、雑誌のブックガイドだったのか、いまとなっては覚えていない。 モノトーンに近い淡い色彩で写される南国や雪国の風景に、心を動かされた。 その後、JR東日本、サ…
お盆なので再読。 とは言え、最近流行りの実話(という語り口のフィクション)系の怪談とは異なる。 「むじな」「雪女」といったよく知られた話が収められているが、その語り口は懐かしさを起こさせる。 ラフカディオ・ハーン自身はアイルランドとギリシアの…
いつ頃買ったのかもう覚えていない。 背表紙は日焼けで色褪せてるし、奥付を見ると1992年の初版だった。 20代の自分は、何を思ってこの本を買ったのか、もう覚えていない。 タイトルの通り、昭和20年前後の文章や新聞記事などから、当時の東京の姿、人々の姿…
しばらく電源を入れてなかったKoboを立ち上げて、何となく読んでみた。 麻布にあったという偏奇館は空襲で焼け落ち、晩年の永井荷風は市川に暮らした。 復興してゆく東京を見るより、かつてあった東京の面影を見ようとするのが、晩年の随筆の中には色濃く表…
海野十三の全集をちまちまと、紙の本の合間に読んでいる。 海野十三はSFと言うより、空想科学小説と言った方が相応しい感じがするし、ジュブナイルに近いような印象がある。 そんな作品たちに交じって、第二次世界大戦末期から戦後混乱期の日記が収められて…
車谷長吉の本から、草森紳一の名前を知る。 「長吉」の由来は、唐代の詩人・李賀、こと「李長吉」に由来し、草森紳一の書いた伝記から想を得たことを、本人に伝えたというエピソードが先の「四国八十八ヶ所感情巡礼」に登場し、とても印象に残った。 そうい…
フィッツジェラルドを読んだのは何年ぶりだろうか。 もしかすると20代の頃読んだのが最後かもしれない。 手に取ったきっかけも覚えていない。 フィッツジェラルドのこの雰囲気は、当時どう思ったのだろう。 それでも、処分せずに本棚に残っていたということ…
何となく借りてみて、一気に読んでしまった。 徘徊タクシーとは、徘徊する老人を乗せて、本人の行きたいところに連れていくサービスである。 認知症の老人は、世界が分からなくなってしまったのではなく、違う次元の世界を見ているのだという捉え方が中心に…
全く内容を覚えていないので、改めて借りて読んでみた。 読んでみたが、たぶん初見なのではないかというぐらい覚えていなかった。 こうなると読んだという記憶自体が怪しい。 内容はというと、エッセイのような小説のような、業界裏話のようなものも混じって…
星新一は学級文庫に誰かが持ってきたのを読んだのが、最初のような気がする。 面白くて読み漁った気がするけれど、自分で買ったのは1冊ぐらいではないだろうか。 もう、どれが既読でどれが未読だったかあやふやだけれど、この本は未読だったようだ。 気の利…
何となく借りてみたのだけど、ピンとこなかった。 読んだ記録として残しておく。 中島らもの誰に言うでもない、さようなら: It’s Only a Talkshow3 (ダ・ヴィンチブックス) 作者:中島 らも,鮫肌 文殊 KADOKAWA(メディアファクトリー) Amazon ランキング参加…
ナジャは不思議な物語だ。 ナジャその人は不思議ではない。 ナジャは、プルトンが一目惚れしたちょっとエキセントリックな、言動が目立つ若い女というだけの気がする。 惚れた者の弱みであれやこれや翻弄されているブルトンだが、相手を神格化させたせいで、…
暇に任せて読み返す。 栗本慎一郎が講師、笠井潔が生徒で、経済人類学を講義する、というていのレクチャーブックシリーズの1冊である。 1985年の初版だった。 買った当時のことは覚えていないが、恐らく10代の頃に背伸びして読んだのだと思う。 人類学とは何…
椹木野衣による岡崎京子論である。 この本を買った頃、どこで何をしていたのか、ちょっと記憶が曖昧だ。 挟み込まれたレシートと本にかかってるブックカバーは、新宿ルミネにあった青山ブックセンターを示している。 2001年3月20日 18:27 以前勤めていた会社…
暇に任せて、久しぶりに杉浦日向子を読み返す。 この本は全国の銭湯を巡り、そこで出会った人(老若男女)、銭湯内(女湯)の様子、酒や美味いもの、などが面白可笑しく語られる。 銭湯や町の歴史のようなものも少し触れられる。 ちょっとふざけ過ぎている面…
教科書に載っていた俳句や和歌ってどうだったのか、と思って、図書館で借りてみた。 確かに読んだ覚えのある句や歌が並んでいるが、あまりピンとこなかった。 たぶん学校で習ったときもそうだったのだと思う。 優れていないわけではないけれど、面白いと思え…
こういった作品集は年代で編まれていないので、何だか読みづらい気がするのだけれど、手軽に読めるのだからそう文句を言うものでもない。 小泉八雲の主だった作品を集めている。 が、紙の本で読んだ「日本の面影」などが入っていないのは残念だ。 もしかする…
かつて澁澤龍彦という名は、傍流の文学者の中でもビッグネームだったと思う。 澁澤龍彦の本を読んでいるというだけで、親の世代は眉をひそめ、同級生たちは「変な奴」という目で見ていたのではないかと思うし、そういった評価をあえて受けたくて手に取ろうと…
幼い頃にTVで観ていたし、結婚のニュースも引退コンサートもリアルタイムで知っていたけれど、山口百恵とはどんなアイドルだったのかを説明できるほど知らない。 当時の人気も、宇崎竜童&阿木燿子のヒット曲も知っているけれど、それは山口百恵その人を知っ…
吉田健一の娘さんの本があると知り読んでみた。 生前の吉田健一を知らないが、語られる姿は文士というよりは、サラリーマンのようだと思った。 もっと破天荒だったり桁外れなところがあるのが文士だという読者の勝手な想像とは異なっている。 恐らく家族の目…
子供の頃、読んだ覚えがあるが、なんとなくしか覚えていない本である。 改めて光文社古典新訳文庫で読み返してみる。 ミュンヒハウゼン男爵は実在する人物であるが、モデルとしてこのような法螺話が世界中で広く読まれているというのは、なんとも愉快ではな…
この本もまた図書館で借りた。 高橋幸宏氏、坂本龍一氏の逝去に伴って、村井邦彦氏の動画やYMO結成秘話的なエピソードが溢れたように思う。 そんな中で、川添象郎氏の名前を知り、この本を知った。 川添象郎氏のエピソードについては、Wikipediaを始め様々に…
良くも悪くも坂本龍一氏は変わったのだと思った。 それを否定する気はないけれど、考えの距離感を実感した。 いや、もともとそんなに距離が近いと感じていたのかどうかも疑問なのだが、遠いところの人のように思った、という言い方のほうがしっくりするかも…
坂本龍一氏の自伝である。 とはいえ、2009年に語っているので、それ以降の3.11や闘病生活等は語られていない。 知っていらエピソードもあれば、知らなかったエピソードもある。 こうしてまとめて読んでみて、坂本龍一氏は劣等感に対して色んな努力をして成し…
ふと読み返してみた。 高橋悠治氏と坂本龍一氏が、ホテルの内線電話越しに対談をしている本。 YMOが散開した頃、坂本美雨氏が子供で、両親の曲を聴かされて踊るエピソードが登場する。 若い人たちに関してとか、海外についての印象とか、当時から見た未来の…
引き続き、西村賢太氏を読んでみる。 江戸川区の出身で、たぶん歳は少し上、バブルや東京の西とは距離のある感じで、なんとなく近しい感じがする作家が、どんな東京を見ていたのか気になった。 取り上げられている町、語られる言葉、どちらも私小説作家らし…
この本もまた図書館で借りた。 タイトルが全て「かな」っていうのも人を食った付け方だと思うが、やはり現代史の総括&ノスタルジーが続いていて、痛々しくなってくる。 そんな中でも見るべきところがあるとしたら闘病や老いに関するところだろうと思った。 …