雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ことばあそびうた/谷川俊太郎

以前からちょっと気になっていたので、図書館で借りてみた。 自分自身は谷川俊太郎の詩は、判るようで判っていない気がする。 ハッとするような言葉があったり、よく判らなかったり。 なので、ちょっと、娘がどんな反応をするのか見てみたかった。 さっそく…

幻影の書/ポール・オースター

どうやら半年前に出ていたようなのだけれど、見逃していたのだろうか。 久しぶりに、ポール・オースターを読んでみる。 敢えてつまらなく言うなら、人生のどん底を彷徨うことになった主人公が、運命的な女性と出会い、救われもするのだけれど、その女性を失…

作家の誕生/猪瀬直樹

新書ながら読み応えのある一冊だった。 明治時代における雑誌の誕生から、文壇の形成、そしてタイトルの通り、「作家」という職業の確立を丹念に追っていく。 文学史でもなく、出版史でもなく、だが、それらを包括する、日本近代史の姿が見えてくる。 それは…

UFOとポストモダン/木原善彦

図書館にふらりと立ち寄って、ちょっと目に留まったので借りてみた。 UFO目撃譚に代表される「UFO神話」なるものを、近代からポストモダンの文脈で捉える、といった本だろう。 第二次世界大戦後から1973年までの「前期UFO神話」時代、1973年から1995年の「後…

東京の島/斎藤潤

たしか記憶では、東京都の小学校の社会科の授業は、3年生で区、4年生で都、5年生で日本、6年生で世界を習ったのだと思う。 なので、東京都の島嶼部を知ったのは、恐らく小学校4年生の頃だったのではなかろうか。 叔父さんから貰った道路地図では、伊豆七島ぐ…

”全身漫画”家/江川達也、鈴木隆祐

そういえば、マンガ雑誌を買わなくなって、どれぐらい経つだろうか。 本屋に立ち寄っても、コミックコーナーには行かないようにもなった。 江川達也氏について今更、説明する必要もないだろうから省略しよう。 この本は、鈴木氏のインタビューによって、江川…

幽界森娘異聞/笙野頼子

これは何の本かと言われても上手く説明できない。 物語かというと、そうではないのだけれど、では、詩歌なのかといえば、それは違うと言いきれるのだけれど、では随筆かというと、そのようでもあり、そうでは無いようでもある。 だいたい作者が、フィクショ…

インド夜想曲/アントニオ・タブッキ

3月25日に、アントニオ・タブッキが亡くなった。 というのを今日知った。 追悼の意を籠めて、タブッキの作品に触れるきっかけとなった、「インド夜想曲」を読み返した。 静かな抒情と、謎めいたストーリー、何かしらを秘めているようなエピソード、だが、細…

忌中/車谷長吉

何か読みたくて、図書館の棚を眺めていて、再び車谷長吉氏に眼が止まった。 この本は何と言えば良いだろうか。 死を扱っているようだが、そうとも言い切れない。 解説にあるように、「純愛」を扱っているようでもあり、それだけでもない。 この本で取り上げ…