文系
下巻は観無量寿経と阿弥陀経である。 観無量寿経は、アージャンタシャトルが父ビンビサーラ王を軟禁するも、デーヴァダッタ妃の手助けにより命を永らえ、デーヴァダッタ妃もまた軟禁され、仏陀が教えを説くストーリーがある。 アージャンタシャトルのこの行…
法事でお寺に行くと、浄土真宗は一緒に称名を唱える、ということを最近知った。 信心はないのだけれど、わけも判らず唱えているのも気持ち悪いので、原典にあたってみる。 上巻は無量寿経なのだけれど、やたらと数と名前が出てきて、惑わされた。 そこはまた…
平家物語の中でも、平将門の乱の話は何度か登場していた。 どのような社会集団に、平家物語が広がっていたのか、不勉強で分かっていないけれど、発生から数百年経っても、直接関わりのある公家社会、武家社会に相応のインパクトがあった出来事に違いない。 …
「先祖の話」を探した時に、もう一冊、柳田国男の気になった本を、勢いで買ってしまった。 頭をよぎったのは、確かレヴィ・ストロースの南太平洋の研究だったと思うけど、交差イトコ婚、平行イトコ婚といった用語、もう一つは沖縄辺りの習俗で妹が重要な役割…
もう去年のことだけれど、とあるオンライン講座の参考文献でこの本を知った。 柳田国男については、「遠野物語」のイメージが強すぎて、あまり手を出さなかった。 解説するまでも無く民俗学の大家であり、かつて文化人類学に興味が向いていた頃には読むべき…
いよいよ佳境に入り、那須与一が登場し、平氏の登場人物たちは次々捕らえられたり、自ら入水したりする。 壇ノ浦の戦いは決定的で、一気に平氏は敗走する。 源頼朝と後白河法皇の駆け引きの間で、平家追討することでで勧請を求める御家人達が愈々、平家の末…
岩波3巻目は、原本の7〜9巻が収められている。 平家がどんどん都落ちしていき、京都に源義仲(木曾義仲)が上洛してくる。 香川の八島に潜む平家に、木曾義仲が討伐に向かうが敗退し、京都での評判を落とす一方、源頼朝が征夷大将軍を鎌倉で拝命し、義仲討伐…
さて、岩波の2巻目は、原本の4巻から6巻にあたる。 福原京への遷都騒動、寺院勢力との対立、そして奈良焼き討ちといった事件が続き、平家に対する不満の声が高まっていき、伊豆から関東辺りの勢力をまとめる源頼朝が挙兵し、富士川で勝利する。 一方で、長野…
日本の古典文学をあまり読んでいないのは、ちょっと教養が足りないというか、まだ手つかずの未読の山があるような気がしている。 方丈記、竹取物語なんかは、短いので読んだことはあっても、戦記物は手つかずだったので、平家物語でも読んでみるかと買ってみ…
ビジネス関係のサイトでお勧めされていたので、図書館で借りてみた。 韓国の本を読むのはこれが初めてかもしれない。 差別と言う事象はどういうメカニズムで起きるのか、ということを丁寧に論じている。 悪意を持って差別が行われるだけでなく、一見すると被…
3巻目は「言葉という思想」という副題が付いている。 確かに言葉にまつわる講演なのだけれど、思想と言うほど大上段に構えた内容かというと、そうでもない。 むしろ思想の言葉を解説しているような感じだろうか 聖書の語られない言葉、良寛の従来の歌からは…
日本文学の古典について、どれほど読んだのかと思い返すと、古文の授業で読んたものを除くと、甚だお粗末な状況で、百人一首を覚える宿題もろくにこなさず冬休み明けを迎えた記憶がある。 それでも、吉本隆明のこの講演は面白い。 源実朝、近松門左衛門、小…
吉本隆明の講演集を読み返してみる。 一時期、吉本隆明ばかりを読んでいて、たぶんその頃に買ったのだと思う。 テーマ毎に収録されているので、年代もばらばらな気がするし、その辺りのことは解説に書いてあるのだろうけれど、あまり気にせずとりあえず読む…
気になってた本。 買おうかどうしようかと悩んでいたが、図書館に有ったので借りてみた。 サブカルチャーを代表する雑誌として、「話の特集」「面白半分」「宝島」を対比に「ビックリハウス」における、政治、女性、マイノリティ、差別といった社会意識を探…
他の積読が捗らないのに、久しぶりにジョルジュ・バタイユを引っ張り出して読む。 バタイユを知ったのは、ポルノ小説としての「眼球譚」「マダム・エドワルダ」「青空」といった作品であり、「蕩尽=消費」といったキーワードは栗本慎一郎経由だった気がする…
講談社学術文庫で手の出ない分厚い本のひとつが「パル判決書」で、存在は知っていても読もうとは思わなかった。(今は分冊されている?) 読んだことはなくても、極東軍事裁判(東京裁判、どっちも通称?)でA級戦犯の無罪を主張したインドの判事がいて、そ…
アドラー心理学は最近知ったので、解説は何冊か読んでいるが、著作を読んだのはこれが初めてだ。 テーマが多岐にわたっていて、要約するのも難しいが、個人心理学の入門的な著作なのかもしれない。 人生の困難は、他者との生活、仕事、愛の3つの困難であり、…
この前、酔っ払っていたか、酔っ払っていなかったか、どっちだったか覚えていないけれど、帰り道にふらっとブック〇フで買った。 「14歳からの哲学」が好評だったから、たぶん「41歳」としたのだろう。 哲学とは言いつつ、哲学風のエッセイという感じがする…
調べ物ついでに論語まで手を伸ばしてみる。 論語は儒教のベースのひとつ、ぐらいの認識で、あまりちゃんと読んでなかった気がする。 初めて読んだのは学生の頃だけど、説教くさいというか、ピンとくるものがなかったと思う。 年をとって30才ぐらいの頃に、ビ…
調べものついでに読んでしまった。 ふだん老子と言ってるこの本は、道徳経というのが正しいということは何となく知っていたのだけれど、前半が道教で後半が徳教というのは、初めて知った。 道徳経というからといって、いわゆる道徳について誰何するというこ…
あの世があるかと聞かれたら、即答でないと答える。 たぶん、あの世という存在は、かつての共同体や人間関係を前提としているのだと思う。 死というものが、無なのではなく、何らかの意味を持っていること、ひいては死すべき存在としての自分たちの生に意味…
久しぶりに、マイケル・ポラニーを読み返してみる。 ハンガリーの哲学者で、兄は経済学者のカール・ポラニー。 以前、何冊か読んだけど、ピンとこなかった。 一般的には科学哲学として知られているようだけど、この本は認識論について、そして自身の「個人的…
一言芳談抄を知ったのは、吉本隆明の本だったように記憶している。 どう評していたか覚えていないけれど、興味を引いた頃に、岩波文庫の復刊で出ていたのを買った。 信心も無ければ、世俗にどっぷり浸かっている身で、何で気になったのか良く分からない。 様…
これは予言なのだけれど、「コロナの頃は良かった」と言い出すやつがきっと現れる。 「昭和は良かった」と言ってるのと同じ口調で、COVID-19のパンデミックについて、良い思い出かのように回想する。 それが何だったのかを考えること無く、ただの出来事とし…
だいぶ前に買った本なのだけれど、ふと思い出して読み返す。 あれからだいぶ落ち着いて、気持ちの方の整理も着いてきたと思っている。 思っているだけで、こういう本に手が伸びてしまうのは、まだ整理が着いていない証拠かもしれない。 この本は「チベット死…
アガンベンが気になったので、図書館で借りてみた。 民主主義について、以下の8人の論考が収められている。 ジョルジョ・アガンベン アラン・バディウ ダニエル・ベンサイード ウェンディ・ブラウン ジャン=リュック・ナンシー ジャック・ランシエール クリ…
例えば本を読むときに、著者が自分より年上かどうかは気にしない。 面白そうだから読む、面白かったあの本の中で紹介、引用されていたから読む、そんな風に直観と読んだ本を手掛かりに、本の森の中へ分け入っている。 しかしこの読み方では、読んだ本から遡…
宇野常寛氏の本を読むのはこれが2冊目である。 前に読んだのは、10年前だった。 amenohihonyomi.hatenablog.com 図書館のふだん見に行かない「社会」の棚にあって、こんなところに?と思って手に取ってみた。 1995年と2001年をメルクマールとして、90年代か…
写真について読むべき批評は、ロラン・バルト「明るい部屋」とスーザン・ソンタグ「写真論」と知っていたのに、ソンタグを読んでいなかったのは、しばらく手に入らなかったのと、ちょっと距離を置いていた、というか、ちゃんと読めていなかったからだ。 それ…
東浩紀と笠井潔の往復書簡、という形式の対談とでもいうものだろうか。 1948年生まれの笠井潔と1971年生まれの東浩紀、どちらにも欠けているものがあって、どちらにも評価すべきところはある。 読んでいる自分はと言うと、年代的には東浩紀に近いけれど、思…