2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「ア○ス」とは「アリス」のことだろう、と思ったのが最初に読んだ時の感想だったと思う。 つまり、「不思議の国」や「鏡の国」を遍歴する少女を連想させる。 だが、主人公は「ナオミ」という少女である。 どうやら狂気の中にいるらしく、繰り返される「トモ…
アルトーについて語ろうとすると、どんな言葉も適切でないような気がしてしまう。 読んでいる時の高揚感と裏腹に、何か言葉を発してしまうと、本当は理解できていないような気がしてくる。 それは、アルトーの語る言葉と、自分の語っている言葉の距離が問題…
井上井月は、幕末から明治初期の頃の俳諧師である。 故郷の越後長岡を捨て、江戸や京、大阪を放浪した後、長野県伊那谷に住み着き、あちこちの家に居候した挙句、田んぼの中で行き倒れ同然の姿で客死したという。 乞食井月とも言われていたというその姿は、…
主人公が本郷信楽町に住んでいた頃の思い出話を語り出すかのように物語が始まる。 そこには、昔の東京(おそらく昭和初期)の姿が描かれる。 例えば、本郷を走る路面電車、神楽坂の待屋、銀座の掘割、山王の桜といった風景が現れる。 しかし、回想で語られる…
正直なところ、良く判らない。 古代日本史や謡曲に通じてないと、面白さは判らないのだろうか。 自分の無教養さが恨めしい。 だがそういう本もあるし、そういう日もあるだろう。 また読む日が来るかもしれないし、読まないかもしれない。 死者の書・身毒丸 (…
夢というものは、様々な想像力を駆り立てる。 例えば、シュルレアリストたちは、無制限の想像力を見出そうとした。 安部公房氏はその作品のヒントを、夢日記からも得ていたようだ。 カルロス・カスタネダ氏のドン・ファンシリーズでは、夢を意識的にコントロ…
以前、高校の時の同級生が、この本を読んでいる、と言っていたのをふと思い出した。 それは、もう何年前のことだったろうか? ふと、そんな些細な記憶が蘇る時がある。 そういえばトルストイはおろか、ロシア文学に殆ど触れてこなかった。 思い出したのも何…
何があったというわけでもないのだけれども、何だか無力感を感じてしまうのは、日常とどこかでうまく折り合っていないのかもしれない。 だからと言って、折り合ってしまえば良いのかというと、そうはしたくはないようだ。 前にだって後ろにだって進みたくは…
タイトルの通り、9.11についてのチョムスキーへのインタビュー集である。 チョムスキーの論理は明確だ。 テロの語義に照らし合わせて、最大のテロ国家はアメリカであると断定する。 そこには幾つかの事例が引かれているが、どれも陰惨な事件ばかりだ。 また…