雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

家族、私有財産および国家の起源/フリードリヒ・エンゲルス

いまさら説明するまでもなく、エンゲルスの主著だろう。 なぜにいまさらこの本を読むのか。 それを考えた際に、自分に対して以下のルールを適用することとした。1.政治的な意味合いは考慮しない マルクス主義の政治的思想的テクストとして読むのではなく、…

おとしばなし集/石川淳

どうやって石川淳に辿り着いたのかはもう覚えていないが、「狂風記」や「至福千年」といった長編作品の物語世界にあっというまに虜になって、次から次へと読み耽った。 そこには、異形や無法の登場人物たちが跳梁跋扈し、あらゆる名のつく主義を唾棄し、ただ…

本と音楽

本を読む時に音楽が要るのか要らないのか、本当のところはよく判っていない。 少なくとも電車の中で読む時は、音楽プレイヤーで何かを聞いていることが多い。 だが、それは本の内容に合わせるというよりは、外界の音を遮るため、という気がしている。 だから…

東京レクイエム/猪瀬直樹、北島敬三

昭和天皇が崩御し、平成に切り替わったのはもう二昔前の出来事だ。 猪瀬直樹氏はそこに歴史の裂け目が現れたという。 この本はその辺りの日本の姿を記録しようとする。 マスメディアは自粛というキーワードを濫用し、社会的な雰囲気を盛り上げた。 自民党政…

優雅な獲物/ポールボウルズ

この本もまた図書館で借りた本である。 というか、絶版で店頭では手に入らない。 この本はボウルズの初期の短編を集めている。 ボウルズにとってのアラブとは、決して相容れない他者として立ち現れる。 物語世界に裂け目を入れ、悲劇をもたらす。 主人公たち…