団鬼六の作品を読んだことはないが、昭和を代表するポルノ作家の一人で、SM物が有名なことまでは知っている。
もしかすると、中間小説雑誌のようなもので、短編ぐらいは読んだことがあるかもしれない。
大量のポルノ小説を書き続けられる想像力の源泉は、人としての来歴にあるのか、作家自らが語る言葉に何かあるのだろうかと期待してしまう。
思い出語りではあるものの、人生の転機となった出来事とその時の年齢が語られる。
それは将棋であったり、食べ物の話だったり、およそポルノ小説的な出来事はない。
小説世界に作家自身を溶け込ませるようなことは、小説家はしないのだろう。
そんな当たり前のことはともかく、終戦時に中学生だった団鬼六という人物の昭和史としても、なかなか面白い。
そして、同じ年齢の頃の自分と重ね合わせて、何を思い考えていたのかをなぞらえてみるのも面白い。
あとがきによると、晩年はポルノ小説の断筆宣言をし、エッセイのみ書いていたようだ。
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