雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2024-01-01から1年間の記事一覧

言葉からの触手/吉本隆明

本棚を片づけていたら出てきた一冊。 いつ買ったのかもう覚えていなかったが、挟まっていたレシートを見ると1989年に買ったらしいので35年前である。 この本は詩的な評論、と言い代えたところで何も言っていない。 言葉によって言葉たりえないもの、身体とか…

アナログの逆襲/デイビッド・サックス

ラジオで紹介されていたのでちょっと借りてみた。 アナログ vs デジタル、という構図で、デジタル的なものに対してアナログなものがリベンジする、という物語が繰り返される。 対象はレコード、ノート、フィルムなどのアイテムである。 この本が書かれるため…

ちょっとそこまでぱんかいに/山下明生、エム・ナマエ

とあるラジオで、お薦めしていたので、図書館で借りてみた。 絵のエム・ナマエ氏はこの後、失明してしまったが、やがて盲目のイラストレータとして活躍したらしい。 この本は眼が見えていた頃の最後の作品で、作風も変わってしまったらしい。 影の部分の塗り…

無敵のソクラテス/池田晶子

ふと、池田晶子氏の著作が読みたくなり購入。 500頁2段組みなので、1,000頁相当の大著であり、ソクラテスシリーズの全作品が入っている。 対話篇という形式は、私という存在を韜晦するのに相応しい。 ソクラテスに語らせながら、「私」という存在を巡って、…

スノードロップ/島田雅彦

引き続き島田雅彦。 出来の良い物語とは酔わせてくれるし、現実とそっくりの顔をしているのではないだろうか、と思っている。 日本の将来を憂う皇后陛下が主人公の、近未来の日本が舞台の物語である。 これは政治小説だろうか? 或いは、細部まで作り込んだ…

暗黒寓話集/島田雅彦

個人的に島田雅彦ブームが来ているので、最近の短編集を借りてみた。 暗黒というのは、いささか諧謔味のあるタイトルだと思う。 とはいえ、心温まるような話ではなく、ちょっと斜に構えていたり、ちょっと不気味であったりする短編が収められている。 一つ一…

欲が出ました/ヨシタケシンスケ

ヨシタケシンスケのエッセイ第二弾も併せて借りた。 なるほど分かる気もするイラストもあれば、それはどうだろうかというものもある。 著者というより、出版社が欲を出したのかもしれない。 文章での説明がないイラストだけのの方が良いものもあると思った。…

思わず考えちゃう/ヨシタケシンスケ

図書館で読む本を探していて、ちょっと読んでみようかと手に取った。 名前も知っているし、子供向けの絵本を何冊か試し読みをしたこともあるが、ちゃんと読んだのは初めてである。 いまさら説明の必要も無いと思うが、絵本作家であり、エッセイストといって…

スーパーエンジェル/島田雅彦

久しぶりに島田雅彦の「優しいサヨクのための嬉遊曲」が読みたくなって、家の本棚を探したけれど見当たらず、図書館に探しに行っても見当たらず、だったら最近の著作でも読んでみようと思って借りた。 舞台は近未来の日本と思われる国で、AIが人類を管理して…

いのちの車窓から/星野源

星野源氏の本を読んだのは初めてであった。 もしかすると、どこかの雑誌でコラムなどを読んでいるのかもしれないが、覚えていない。 日常のことだったり、思い出話だったりするが、どれも自然なスタンスの文章だと思った。 巧拙を云々するような文章ではない…

ひとりビジネスの教科書/佐藤伝

何となく図書館で手に取ってみた。 定年という区切りがだんだん見えてきたのもあるし、世間的にも起業ブームがあると思うので、ちょっと知識を仕入れておくのも悪くないと思っている。 実際に起業するかどうかはまた別の話として、起業するためのポイントを…

何もしない/ジョニー・オデル

何もしない、ということを主張する、というのはある種の皮肉めいたものだと本の始まりの方で著者も述べているが、「何もしない」ということを額面通りに、というか、自分の基準で受け取ってはいけない。 著者はアメリカのアクティビスト、ってことは活動家の…

ベイズ統計学/松原望

最近の興味の対象にAIがあって、その中心にある考え方を知りたくなった。本屋でいくつか本を拾い読みして、どうやらベイズ統計学というのが重要らしい、とたどり着いたので、ちょっと入門書を読んでみることにした。統計学は今まで全く接点のない分野だった…

女の人差し指/向田邦子

向田邦子氏は親戚の叔母さんのような印象がある。 実際、自分の親たちと生年が近く、東京生まれではあるけれど、それだけではないような気がしている。 この本は、生前に週刊文春で連載されていた「女の人差し指」を中心に、未刊行だったエッセイを集めた本…

自給自足/小林カツ代

料理本は味覚の想像力を鍛えるのだと思う。 この本はレシピ集というよりエッセイに近いのだが、写真は一切なく、池田葉子氏のイラストで内容が補足されている。 では何のエッセイなのかというと、料理の手順に近く、レシピ集のようでもある。 正月からぱらぱ…

寺山修司少女詩集

詩を読むのはどこかむず痒いところがあって、ましてや少女趣味全開だとしたら、ちょっと小っ恥ずかしいと思うけれど、寺山修司の少女趣味はどこかフィクションめいたところがあるように思っている。 寺山修司の詩は10代の頃に初めて読んだ記憶があるのだけれ…

アイデアのつくり方/ジェームス・W・ヤング

アイデアとは新しい組み合わせのことだ、という今では当たり前のように聞くけれど、この本が出た1960年では新鮮だったのだろうと思った。 方法が斬新なのではなく、その方法のプロセスを言語化したことが新鮮であった、ということだと思う。 実際の記述はも…

成功をめざす人に知っておいてほしいこと/リック・ピティーノ

どこかで勧められて読んでみたが、著者は高名なバスケットボールコーチらしい。不勉強で全く知らなかった。文中にもしばしばバスケットボールの話が出てくる。だからといって、バスケットボールやスポーツに特化した話かというとそんなことはなくて、むしろ…

ミニマル料理/稲田俊輔

例えば物語を読むことは、世界の因果律を想像することであり、ビッグ・バンについての解説書を読むことは宇宙の始まりを想像することであり、クウォークについての解説書は目に見えない物質の究極を想像することであり、料理本を読むことは未知の味覚を想像…