2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧
向田邦子氏は親戚の叔母さんのような印象がある。 実際、自分の親たちと生年が近く、東京生まれではあるけれど、それだけではないような気がしている。 この本は、生前に週刊文春で連載されていた「女の人差し指」を中心に、未刊行だったエッセイを集めた本…
料理本は味覚の想像力を鍛えるのだと思う。 この本はレシピ集というよりエッセイに近いのだが、写真は一切なく、池田葉子氏のイラストで内容が補足されている。 では何のエッセイなのかというと、料理の手順に近く、レシピ集のようでもある。 正月からぱらぱ…
詩を読むのはどこかむず痒いところがあって、ましてや少女趣味全開だとしたら、ちょっと小っ恥ずかしいと思うけれど、寺山修司の少女趣味はどこかフィクションめいたところがあるように思っている。 寺山修司の詩は10代の頃に初めて読んだ記憶があるのだけれ…
アイデアとは新しい組み合わせのことだ、という今では当たり前のように聞くけれど、この本が出た1960年では新鮮だったのだろうと思った。 方法が斬新なのではなく、その方法のプロセスを言語化したことが新鮮であった、ということだと思う。 実際の記述はも…
どこかで勧められて読んでみたが、著者は高名なバスケットボールコーチらしい。不勉強で全く知らなかった。文中にもしばしばバスケットボールの話が出てくる。だからといって、バスケットボールやスポーツに特化した話かというとそんなことはなくて、むしろ…
例えば物語を読むことは、世界の因果律を想像することであり、ビッグ・バンについての解説書を読むことは宇宙の始まりを想像することであり、クウォークについての解説書は目に見えない物質の究極を想像することであり、料理本を読むことは未知の味覚を想像…