2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧
天沢退二郎の散文詩が読みたくなり、再読してみる。 夢の風景を描写するような、意味ありげな物語のようなその詩作品たち。 大きな絡み合った毛玉を解きほぐしてみると、空洞がそこにあったかのようなイメージだ。 物語的な体裁を採りながら、物語的なるもの…
三好豊一郎という詩人を知ったのは、いつどこでだったのか、もう覚えていない。 だが、「囚人」という詩(代表作と言ってもいいのだろう)だったのは覚えている。 その後、この本を買ったのは、その詩が忘れられなかったからに他ならない。 しかし、久しぶり…
何処となく騒然といていて腰の落ち着け処がないような日々が続いている。 それまで“ありふれた”とか“変わらない”と思っていた日常というものが脆くて儚いものだったことに改めて気づき、その“変わらない”ことの在り難さを噛みしめる。 この本は詩人である吉…
この本を読んで、由良君美氏を知る。 四方田犬彦氏と由良君美氏の交流の思い出が語られ、由良君美氏の経歴が遡られる。 由良氏の姿から、師弟関係とは何か、という考察がされる。先生とわたし (新潮文庫)作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 201…
私の記憶の中の西部邁氏は、バブルの頃の「朝まで生テレビ」である。 政治家やら市民団体代表的な人々に向けて、栗本慎一郎氏は的外れのような人をおちょくったような突っ込みを入れ、西部邁氏は「あなたねぇ」と穏やかに話しながらも舌鋒鋭く痛いところを突…
日本各地で採集した昔話が、100編以上収められている。 それを一気に読むと、流石に食傷気味になる。 しかも各地の方言が入り乱れ、正直なところ読み易いものではない。 様々に語られた昔話から、そこで暮らす人々の心象を探りたいと思ったわけでもない。 こ…