雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

リーダーになる/ウォレン・ベニス

ここで言ってるリーダーとは、管理職予備軍のいわゆる、チームリーダーの事ではない。 新たなビジネスを牽引する人材、新たな領域に踏み出していく人材、そういった姿である。 ということを理解するのに、十数ページもかかったのは、読み手が悪かったのだろ…

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学/吉本佳生

この本もまた図書館で借りた。 価格に含まれるコストの仕組みと、価格競争の仕組みをわかり易く解説している、といった感じに、この手の本を要約しても何も語ってはいない。 同じようにこの本を読んだからといって、経済の仕組みが判ったというつもりもない…

青梅/伊藤比呂美

昔読んだ伊藤比呂美の詩は苦手だった。 苦手だったのに、この本はなぜか手放せないで、本棚の片隅にある。 (あんなに夢中になって読んだモーパッサンはあっさりと手放したのに、である) 久しぶりに手にとってみた。 あけすけに語られる性的なこと、猫、ア…

悪の華/シャルル・ボードレール

何となく詩が自分の中で盛り上がってきたので、久しぶりにボードレールを引っ張り出す。 もう背表紙は日に焼けて、オレンジ色だったはずが黄色とクリーム色の中間のようになっている。 前に読んだのはいつだったかもう覚えていない。 改めて読み出してみると…

Ambarvalia/旅人かへらず/西脇順三郎

この本に納められている二つの詩集「ambarvalia」は1933年(昭和8年)、「旅人かへらず」は1947年(昭和22年)に刊行されている。 一見すると、この二つの詩集は、大きく趣きを異にしているように見える。 「ambarvalia」は、古代ギリシア・ローマを題材に、…

地獄の季節/アルチュール・ランボー

ランボーを読むのは、二十歳より前のほうが良い。 そこにある激情や焦燥感のようなものに、もう反応できなくなっている自分に気づく。 詩というものが何であるか。 詩を読むという体験は、自分にとって何であるか。 そんなことに何かしらの答えを持ってしま…

二つ枕/杉浦日向子

今更ながらに杉浦日向子の作品の魅力について語るのは、かなり野暮なことに他ならないと思うのだが、ふと読み返してみたこの作品の巧さに、思わず読み耽ってしまった。 舞台は江戸時代の吉原の遊郭の、しかもその「二つ枕」の床の中。 4人の花魁と、そこに…

夢の宇宙誌/澁澤龍彦

今更ながらに澁澤龍彦を読み返してみる。 あとがきで本人が自分のスタイルを見つけた一冊だと書いている。 1960年代に書かれたということもあるのか、文章はやや生硬な感じがする。 いや、そうではない。 この本におけるエッセイは、あるテーマの下に様々な…