雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

随筆

知的生活の方法/渡部昇一

講談社現代文庫が創刊60周年で、その中でも最も売れた本が、この本だと聞いて図書館で借りてみた。 というのも、渡部昇一を読むのはこれが初めてである。 名前を聞き覚えがある程度で、ビジネスマンに人気がある保守系の論客という評判をどこかで仕入れてい…

酒道入門/島田雅彦

何か読むものはないかと図書館の書架を眺めていて見つけた島田雅彦の随筆である。 思い返してみると、小説は読んだことはあっても、随筆は読んだことがないなと思った。 この本はタイトルの通り酒にまつわる随筆である。 酒そのものに関する蘊蓄というよりは…

男の作法/池波正太郎

20代の頃は、池波正太郎なんて、一生読まないだろうと思っていたが、あれから月日が流れて、ついに買って読んでしまうことになるとは、自分の見通しの甘さに苦笑せざるを得ないのだが、酔っぱらった勢いで購入したと一縷の言い訳を残しておきたい。 どうやら…

考えよ!/イビチャ・オシム

久しぶりにオシムの言葉に触れたくて、ついネットでポチッと買ってしまった。 サッカーについてなにか言えるほど知っているわけでもないし、日本代表に熱狂するほどサッカー好きなわけでもない。 だが、昔読んだ「オシムの言葉」という本だったか、が何とな…

昭和23年 冬の暗号/猪瀬直樹

酔っぱらってふらっと入ったブッ〇オフで購入した本。 猪瀬直樹の本はこれで3冊目ぐらいだったと思う。 つまりほとんど読んでいない。 昭和20年のポツダム宣言の受け入れから昭和23年の東條英機の処刑までの昭和天皇、平成天皇、マッカーサー司令官の動きを…

アナログの逆襲/デイビッド・サックス

ラジオで紹介されていたのでちょっと借りてみた。 アナログ vs デジタル、という構図で、デジタル的なものに対してアナログなものがリベンジする、という物語が繰り返される。 対象はレコード、ノート、フィルムなどのアイテムである。 この本が書かれるため…

欲が出ました/ヨシタケシンスケ

ヨシタケシンスケのエッセイ第二弾も併せて借りた。 なるほど分かる気もするイラストもあれば、それはどうだろうかというものもある。 著者というより、出版社が欲を出したのかもしれない。 文章での説明がないイラストだけのの方が良いものもあると思った。…

思わず考えちゃう/ヨシタケシンスケ

図書館で読む本を探していて、ちょっと読んでみようかと手に取った。 名前も知っているし、子供向けの絵本を何冊か試し読みをしたこともあるが、ちゃんと読んだのは初めてである。 いまさら説明の必要も無いと思うが、絵本作家であり、エッセイストといって…

何もしない/ジョニー・オデル

何もしない、ということを主張する、というのはある種の皮肉めいたものだと本の始まりの方で著者も述べているが、「何もしない」ということを額面通りに、というか、自分の基準で受け取ってはいけない。 著者はアメリカのアクティビスト、ってことは活動家の…

女の人差し指/向田邦子

向田邦子氏は親戚の叔母さんのような印象がある。 実際、自分の親たちと生年が近く、東京生まれではあるけれど、それだけではないような気がしている。 この本は、生前に週刊文春で連載されていた「女の人差し指」を中心に、未刊行だったエッセイを集めた本…

一汁一菜でよいという提案/土井善晴

料理本というよりは、料理文化の本のようだと思った。 例えば美味しいものを食べた、という話ではなく、この美味しい料理は素材の美味しい時期を知っている先人の知恵が云々、といったニュアンスで伝わるだろうか。 それが面白い時もあるが、何となく冷めた…

小泉八雲作品集

こういった作品集は年代で編まれていないので、何だか読みづらい気がするのだけれど、手軽に読めるのだからそう文句を言うものでもない。 小泉八雲の主だった作品を集めている。 が、紙の本で読んだ「日本の面影」などが入っていないのは残念だ。 もしかする…

陰翳礼讃/谷崎潤一郎

もう何年前に読んだのか覚えていない。 高校の副読本に載っていたのは覚えている。 時折、表題の「陰翳礼讃」が引用されたり、引き合いに出されたりするのを見聞きするが、実際に読んでみるとどうなのかと思って読み返してみた。 高校生の頭ではピンと来なか…

マルジナリア/澁澤龍彦

かつて澁澤龍彦という名は、傍流の文学者の中でもビッグネームだったと思う。 澁澤龍彦の本を読んでいるというだけで、親の世代は眉をひそめ、同級生たちは「変な奴」という目で見ていたのではないかと思うし、そういった評価をあえて受けたくて手に取ろうと…

蒼い時/山口百恵

幼い頃にTVで観ていたし、結婚のニュースも引退コンサートもリアルタイムで知っていたけれど、山口百恵とはどんなアイドルだったのかを説明できるほど知らない。 当時の人気も、宇崎竜童&阿木燿子のヒット曲も知っているけれど、それは山口百恵その人を知っ…

エジプトの空の下/飯山陽

引き続き、飯山陽氏の本を読む。 著者がエジプト滞在中の体験と、ムバラク体制の崩壊、モルシ体制の崩壊、という2つの革命を通じて、エジプトのイスラム教の姿を描いている。 平易な文章と、日常生活が中心の随筆なのだけれど、扱われているテーマは重い。 …

まとまらない人/坂口恭平

坂口恭平氏の本を初めて読んだ。 何というか、自己肯定感の強い人だと思った。 躁鬱状態にあるらしいので、一概に、というか、人となりとしてそう言い切るのは異なるかもしれない。 もう少し正確に言うなら、自己肯定感に溢れている本だと思った。 坂口恭平…

神戸・続神戸/西東三鬼

西東三鬼の名前は、現代俳句を漁っていた頃に知り、戦前の京大俳句事件や、現代俳句の表現を知るきっかけとなった一人である。 とはいえ、朝日文庫の「現代俳句の世界9 西東三鬼集」を読みかけた程度で、深く掘ってはいなかった。 そもそも現代俳人の句集が…

父 吉田健一/吉田暁子

吉田健一の娘さんの本があると知り読んでみた。 生前の吉田健一を知らないが、語られる姿は文士というよりは、サラリーマンのようだと思った。 もっと破天荒だったり桁外れなところがあるのが文士だという読者の勝手な想像とは異なっている。 恐らく家族の目…

なぜノンフィクション作家はお化けが視えるのか/工藤美代子

「日々是怪談」を加筆訂正の上、改題した本だという。 工藤美代子氏の本はこれが初めてである。 ノンフィクションという分野にあまり食指が動いてないせいだと思う。 フィクションでない文章なんてない、と思っているから、正面切ってノンフィクションと言わ…

わが人生処方/吉田健一

気になってた吉田健一のエッセイ集を読んだ。 恐らく様々なところに発表された、ちょっとしたエッセイを再構成したもののようで、同じタイトルのエッセイが並んでいたりする。 それはともかく、人生処方とは何だろう、人生訓みたいなものだろうかと想像して…

象の記憶/川添象郎

この本もまた図書館で借りた。 高橋幸宏氏、坂本龍一氏の逝去に伴って、村井邦彦氏の動画やYMO結成秘話的なエピソードが溢れたように思う。 そんな中で、川添象郎氏の名前を知り、この本を知った。 川添象郎氏のエピソードについては、Wikipediaを始め様々に…

詩の力/吉本隆明

久しぶりに読み返してみる。 晩年の吉本隆明の日本近現代詩の解説である。 口述筆記のおかげか、平明で分かりやすい言葉が選ばれていると思った。 必ずしも年代順に系統立てて紹介しているわけではないが、話の流れのようなものはある。 現代の(とは言って…

低空飛行/原研哉

ラジオで紹介していたので、借りてみた。 元はWebサイトらしい。 日本を再評価し、観光業、ホテル業をリデザインする、という内容だと思った。 有名なデザイナーらしく、無印良品の家なども手掛けていることも知った。 だが正直なところ、この本の前半部分の…

ねじねじ録/藤崎彩織

気になったので借りてみた。 SEKAI NO OWARIのキーボーディストとして知ってはいた。 まだバンドが、世界の終わり、という名前だった頃に、一枚だけアルバムを聴いた。 好みではないけれど、すごいなぁ、とは思ったっけ。 そのメンバーであるSAORI氏は、ブロ…

人は2000連休を与えられるとどうなるのか?/上田啓太

とある場所で紹介されてたので読んでみた。 2,000日は6年弱、友人?の家に居候しながら、考えを巡らし、何かを試みる、という記録のような、随筆のような得体の知れない本だ。 なにかの目標に邁進するのではない。 また、真似したいとも思わない。 だが思考…

すべて忘れてしまうから/燃え殻

何となく気になっていたので、図書館で予約していたのだけれど、酔っぱらって寄ったブック〇フにあったので買った。 小説もそうだったが、若い頃の焦燥感みたいなものと、諦念のようなものが、上手いバランスで表れているように思った。 全然違う人生なのに…

風眼抄/山田風太郎

山田風太郎の名前は聞いたことはあっても、実際読んだことは今までない。 推理小説や時代小説が好きだったら通る道なのかもしれないが、ちょっと昔の大衆小説という気がするので、最近の若い人たちも読まないのかもしれない。 いきなり物語の世界に飛び込む…

スコッチと銭湯/田村隆一

何もない日の午後に読みたい本は何だろうかと本棚を眺めて手に取った。 買ったのは1998年12月31日の旭屋書店銀座店。 なぜ分かるかというと、レシートが挟んであった。 今はもう無いらしい。 四半世紀前に買った本だったが、書かれたのは更に20年ほど前の197…

村上T 僕の愛したTシャツたち/村上春樹

タイトルの通り、村上春樹氏が所有しているTシャツを紹介する雑誌の連載をまとめたもの。 Tシャツの写真にそれぞれのエピソードやらちょっとした小ネタの文章が添えられている。 軽く読める本。 あとがきは野村訓市氏が聞き手になってインタビューしている。…