雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

随筆

伊豆の旅/川端康成

ふと、川端康成が読みたくなって借りてみた。 あまり熱心な読者ではなかったが、何冊かは読んだことがある。 しかし、名作と名高い「雪国」や「伊豆の踊子」は読んだことが無い。 避けていたわけでもないが、食指が伸びなかったのもまた、事実である。 せっ…

寂庵説法/瀬戸内寂聴

昨年、逝去されたニュースを聞き、1冊も読んだことが無かったことを思い、また忘れていたのだけれど、ふと思い出して図書館で借りてみた。 始めて読むのだからどの本でもよかったのだけれど、何となく朝のラジオで一言の説法をされていたのが懐かしく、タイ…

拡張現実的/川田十夢

ふと、川田十夢氏の文章をまとめて読んでみたくなって衝動買いした。 確か2週間ほど前の夜だったと思う。 オンライン書店というのは有り難いもので、注文した数日後にはポストに配達されていた。 TVブロス誌の連載を元にまとめた本だった。 オンライン書店だ…

日本ぶらりぶらり/山下清

図書館で何となく借りてみた。 山下清氏の貼り絵は、日本のゴッホとも称されるが、今でいうところのアウトサイダーアートだろう。 恐らく私が生まれる前の頃の事だと思うが、日本中で流行したようだ。 そんな山下清氏が文章を書いていたとは知らなかったので…

スタンフォード式 最高の睡眠/西野精治

気になったので図書館で借りてみた。 睡眠の重要性について、実際のところ分かっていなかったのだと思わざるを得ない。 今にして思えば、夢を見ない時期が続いたのは質の低い眠りによって十分なノンレム睡眠だったのだ。 黄金の90分は忘れないようにしよう。…

霊長類ヒト科動物図鑑/向田邦子

何となく図書館で借りてみた。 物語を読む気が起きなくて、随筆のようなものばかり手に取ってしまう。 そういえばと思ってプロフィールを確認したら、1929年生、1981年没、亡父とほぼ同い年、そして没年を追い越してしまっていた。 死者は歳を取らない。 久…

6Bの鉛筆で書く/五味太郎

子供の絵本で五味太郎氏の名前は知っていたが、エッセイを書いているとは知らなかった。 インタビュー記事を見かけて、それでちょっと興味を惹いた。 読んでみるとなるほど面白い。 良い意味で力の抜けた文章で、すんなり入ってくる。 だが、所々におやっと…

リセット/watari

ちょっと読んでみようかと借りてみた。 なるほどなと思う部分も多々ありつつ、わからない部分もある。 それはつまり程度の差なのか、個人の差なのかは、よくわからない。 だがこういった体験記を読める程度には回復しているのだろうとは思う。 リセット 私は…

旅の流儀/玉村豊男

旅に関する本が読みたくて、図書館で借りた一冊。 かつて、BRUTUS誌上で、玉村豊男氏の文章をよく拝見した。 フランス留学の経験があり、食やワインに関する蘊蓄があり、20代の頃に憧れを持って読んでいたように思う。 この本もまた、氏の経験を基にした洒脱…

江戸を歩く/田中優子、石山貴美子

この本も図書館で借りてみた。 何となく旅の本が読みたいと思った。 壮大な旅行記ではなく、小旅行のエッセイみたいなものが読みたいと思った。 この本は東京に残る江戸の痕跡をめぐるエッセイである。 写真も美しいが、江戸文化への切り込み方が鋭いと思っ…

アカルイうつうつ生活/上野玲

図書館で借りて読んでみた。 というのは、何か調子がおかしいなと思って、カウンセリングを受けたり、医者に行ってみたりしたら、軽度のうつと診断されたのが先週のこと。 とりあえず休めと言われて、諸々片づけて休みに入って、だいぶ気は楽になったが、ま…

イスラム飲酒紀行/高野秀行

taknalというアプリですれ違った一冊。 禁酒が戒律であるイスラム圏で酒を飲むというエッセイ。 面白可笑しく書かれているのであるが、見えてくるのは文化の多重性であり、異文化に対する無理解だという事が分かってくる。 イスラムとは何か、ということを理…

雀の手帖/幸田文

久しぶりに読み返してみた。 以前読んだ時も思ったけれど、幸田文の文章は昔の東京のしゃべり言葉に近い感じがする。 親の世代というより、祖父母の世代の言葉のようだ。 中盤で後の平成天皇のご成婚の話題が出てくるので、1959年に初出の文章なのだと分かる…

日日是好日/森下典子

久しぶりに読み返してみる。 茶道に関するエッセイである。 他に読んだことが無いので何ともわからないが、茶道とは何かという事ではなくて、茶道で得たものは何かという本なので、評判が良いのだろうと思った。 つまりユーザー目線であるということだ。 そ…

花嫁化鳥/寺山修司

ふとこの本のことを思い出して本棚から取り出した。 寺山修司の書いた紀行文である。 副題に「日本呪術紀行」とあるのは、サービスのような気がする。 日本の奇習、伝承を訪ね紹介する、という態を取りながら、その背後にある人々の姿を浮かび上がらせようと…

人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子

この本もまた図書館で借りた。 順番待ちが50人以上で、予約してから半年近くかかったんじゃないだろうか。 脳科学者による正義中毒についての考察である。 面白いのは発生原因が脳内物質によるものなのに、対応策はそうじゃないという点である。 すべての現…

一〇一年目の孤独/高橋源一郎

高橋源一郎を知ったのは、高校生の頃。 「さようなら、ギャングたち」と、あと何冊かを読んだ記憶がある。 80'sの頃は、こういう小説が新しくて、なんだかすごいと思っていたのだ。 10代から20代の頃の価値判断なんてそんなもので、浅はかな知識と思考で選択…

モンテーニュ 人生を旅するための7章/宮下志朗

最近、モンテーニュ、エラスムス、パスカルといった、西欧近代初頭の思想家が気になる。 中世から近代への転換は、神の視点から人間の視点という変更があったのではないか、と推測している。 だが一括りにそう言ってみたところで、何も考えたり言ったことに…

織田作之助全集

断続的に読み続けていたので、半年ぐらい掛かったろうか。 織田作之助の名前は知っていてもほとんど読んでいなかった。 青空文庫で何篇かつまみ読みしてみたら、案外面白かったので、全集を手に入れてみた。 青空文庫で無料公開しているものが、纏まると有料…

ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険/ジョン・ハンケ

この本も図書館で借りた。 現NianticのCEOで、かつてはGoogle Earthの中心人物であったジョン・ハンケ氏の自伝、というか思い出話。 Field TripやIngressに対する氏の思いが溢れている。 たぶん彼の仕事に興味の無い人には何も響かないだろうか。 ジョン・ハ…

房総の捕鯨/金成英雄

この本も市川の古本屋で購入。 房総半島における捕鯨の歴史をざっとまとめている本。 元新聞記者の方らしく、文章は読ませる。 漁民が紀州からやってきて千葉に住み着いたという説は広まっているが、そうでは無いという意見もあるらしいことがこの本には登場…

江戸川物語/伊藤晃

市川の古本屋で購入。 流山の作家の方らしい。 自筆のサインと蔵書印が押してあった。 江戸川の名前の由来から始まり、著者の思い出話に遡る。 見たこともないのに、懐かしい感じがするのは何故だろうか。 海を見に、江戸川の土手沿いに下っていく話など、川…

日本いまだ近代国家に非ず/小室直樹

この本もまた図書館で借りた。 元の書名は「田中角栄の遺言」だそうである。 実は小室直樹を読むのはこれが初めてである。 市井の学者と言われるのもなるほど頷ける。 非常に論理的であり、正面切った正論を紡ぐ論客であると思った。 日本が近代国家になりき…

両手いっぱいの言葉/寺山修司

寺山修司作品から抜き出した名言集、とでも言う本。 そもそも寺山修司が好きでは無かったら、たぶん響かないんだろうなとは思う。 色んな作品の断片がテーマ別に再分類されている。 なるほどというものもあれば、そうかな、と思うのもある、 少年少女向けの…

コンニャク屋漂流記/星野博美

星野博美を知ったのは、このブログをはてなに引っ越した頃に見ていた、とあるブログだったと思う。 そのブログがどこだったかもう覚えていないが、おそらく同年代だろうと思われるブロガーが、星野博美にシンパシーを寄せていたのを覚えている。 かれこれ10…

不思議図書館/寺山修司

たぶんこの本を読んだのは、高校生の時だ。 昭和59年の初版である。 確か家の近所の小さな本屋で買ったのだと思う。 古本屋で見つけた珍しい本を紹介していくというスタイルで、サブカル的な話題を回していく。 軽く読めるが、シュルレアリスムやドゥルーズ…

食卓歓談集/プルタルコス

この本は誰に薦められたのか忘れてしまった。 西洋文化におけるエッセイの源流の一つとして位置づけられる「モラリア」からの抜粋版である。 日常の様々な疑問にああでもないこうでもないと話を繰り広げる。 古代ローマの思考なので、いまでは良く分からない…

詩人の食卓/高橋睦郎、金子國義

久しぶりに高橋睦郎のエッセイを読む。 東京を離れ、逗子に引越したいきさつ、そして食に関するエッセイといったところ。 約30年前のバブル期に書かれているためか、詩人のちょっと華やかな交友関係や生活が垣間見える。 詩人の食卓―mensa poetae 作者:高橋 …

父のなくしもの/松田洋子

久しぶりに松田洋子の漫画を読んだ。 Twitterでフォローしていて、この本はぜひ紙で買いたいと思っていたのだが、期限切れになるポイントが大量にあったので電子書籍で購入した。 内容としては、幼い頃の思い出から逝去に至るまでの、ご尊父への回想をつづっ…

書百話/榊莫山

榊莫山という名前を知ったのが、米焼酎のCMであったなんて、お里が知れるというものだろうか。 有名な書家ではあるが、その作品は好みではない。 だが、書に対する考えや、エピソードなどは面白く読めた。 書百話 作者:榊 莫山 出版社/メーカー: 毎日新聞 発…