随筆
ビジネス関係のサイトでお勧めされていたので、図書館で借りてみた。 韓国の本を読むのはこれが初めてかもしれない。 差別と言う事象はどういうメカニズムで起きるのか、ということを丁寧に論じている。 悪意を持って差別が行われるだけでなく、一見すると被…
これも気になってた本。 図書館に無いだろうなぁ、と思い込んでいた。 著者はドイツの作家で、ブックデザイナーでもあるそうだ。 章ごとに海図の中の孤島の位置が示され、それぞれの島は地図に1ページ、エピソードに1ページで構成されていて、隙間に簡単な歴…
気になった本は電子メモに残しているのだけれど、よっぽどのことが無いと見返さない。 この前、とある20年ぐらいかかって刊行しているシリーズの新刊を買ったついでにメモを見返して、この本の事を思い出した。 どこで見かけたのかはもう覚えていないけれど…
百鬼園先生の随筆の続編を読む。 正編に比べて、クスッとするような話が多いように思った。 スタイルにこなれた感じがする。 面白いものを何が面白いのかを解説しても、ちっとも面白くないので、ここでは解説しないし、解説し切るほどの力量も無い。 少しは…
久しぶりに本屋に行ったら、高橋幸宏のエッセイが文庫になっていた。 YMOの坂本龍一、細野晴臣の本は何冊か読んでいたけれど、高橋幸宏の文章を読むのは初めてだと思う。 元の連載が90'sの頃だったようだが、2025年の今から見ると、どことなく昭和軽薄体のニ…
久しぶりに内田百閒を読み返してみる。 何度読み返しても面白い。 たぶん自分の笑いの感覚やセンスのようなものは、内田百閒からも感化されているような気がする。 気がするだけで、百鬼園先生のような大人物ではないのだけれど。 この随筆集はけっこう借金…
知らなくもないけれど馴染みの薄い街をぶらぶら歩いて、ふらっと立ち寄ったブック〇フで買った。 荒木経惟の妻、というか、荒木経惟の写真世界の重要なモデルであり、「ヨーコ」として文章にも登場する。 そんな荒木陽子の本があったことすら知らなくて、つ…
前に読んだのはいつだったか覚えていない。 ふと改めて手に取るきっかけのようなものがあるとしたら、この数カ月の読書傾向から分かりにくい経路を通って導かれたのかもしれない。 筆者が20世紀末に滞在した香港、帰国した後のアパートのゴミ捨て、銭湯の常…
この前、酔っ払っていたか、酔っ払っていなかったか、どっちだったか覚えていないけれど、帰り道にふらっとブック〇フで買った。 「14歳からの哲学」が好評だったから、たぶん「41歳」としたのだろう。 哲学とは言いつつ、哲学風のエッセイという感じがする…
しばらく電源を入れてなかったKoboを立ち上げて、何となく読んでみた。 麻布にあったという偏奇館は空襲で焼け落ち、晩年の永井荷風は市川に暮らした。 復興してゆく東京を見るより、かつてあった東京の面影を見ようとするのが、晩年の随筆の中には色濃く表…
先日、夜中に起きて寝付けなかった時に読み始めた。 古今東西の文学、映画、流行歌から言葉を拾ってきている。 あくまで1970年代の寺山修司の視線としてのチョイスであり、それが現代にそのまま当てはまるとは、必ずしも限らない。 むしろ古びてしまったもの…
数年前にひょんなことでYoutubeのCAFICTのチャンネルを知った。 その頃は、ものすごく忙しく、しかも何の成果にも繋がらなくて(繋がっていないような気がして)、心身ともに疲れ果てていた。 疲れ果てていることすら自覚できず、誰かがそのことを言ってくれ…
買ったのはだいぶ前だった気がするが、もう覚えていない。 何度も読み返してしまう一冊である。 谷川俊太郎の詩は教科書にも登場してたし、角川文庫の自選詩集や、新潮文庫の「夜のミッキーマウス」も読んでいるのだけれど、いまひとつ分かっていないような…
確か本棚にあったはず、と思って探したのに無い。 買って読んだ覚えがあるのに、見当たらない。 文庫本の棚を隈無く探したけれど見当たらないので、図書館で借りることにした。 さすがにいつ読んだかまでは覚えていないが、文庫本あとがきを見ると、たぶん19…
最初に読んだのは30代だったろうか。 久しぶりに読んでみたが、こんな内容だったっけ?と思うところも多い。 晩年の吉本隆明にインタビューをして聞き書きしたような本である。 いちばん気になったのは、インタビュアーがしゃべり過ぎているように思った。 …
ふと思い出して本棚から取り出して読む。 多田智満子は詩人なのだけれど、アルトーの「ヘリオガバルス」の訳者として知った。 この本は古今東西の魂の形象の話から始まり、少しづつ死の話へと移っていく。 中でもエジプト文明に関する考察は面白かった。 エ…
いつもの図書館をぶらぶらして片岡義男の本を探していたのだけれど、80'sの頃の小説は見当たらず、エッセイのようなものを見つけた。 珈琲の出てくる映画、喫茶店にまつわる本、といった感じである。 分かるものもあれば、分からないものもある。 珈琲が飲み…
もう何年も細野晴臣ブームが来ている。 毎週日曜深夜のラジオも聴くし、本や雑誌を読み返したりもする。 この本は雑誌「TRANSIT」の連載をまとめたものらしい。 連載と言っても、語ったものの文字起こしのようだ。 晩年の吉本隆明にもそういう本が何冊もある…
再び草森紳一を読んでみる。 どうやら未発表原稿を没後に刊行した本らしい。 山積みにしている本の話、野球の思い出話、煙草の思い出話と、三題噺と言ってもいいのか、ただ、それぞれが散漫に長く続いてゆく。 どうも、文章のリズムと読み手側のスピードが合…
103歳なんて今の歳のほぼ2倍かと思うと、気が遠くなるけれど、あと50回ぐらい桜を見ると思えば不可能では無いような気もしてくる。 とは言っても、全く未知の世界だ。 篠田桃紅は海外でも名の知られた書家(プロフィールでは美術家)であり、特に説明も要ら…
車谷長吉の本から、草森紳一の名前を知る。 「長吉」の由来は、唐代の詩人・李賀、こと「李長吉」に由来し、草森紳一の書いた伝記から想を得たことを、本人に伝えたというエピソードが先の「四国八十八ヶ所感情巡礼」に登場し、とても印象に残った。 そうい…
身近なことが騒がしい時は、とても遠くのことを考えることにしている。 エストニア、と聞いて思い浮かべられるものは、正直なところ何もない。 バルト三国の一つと聞いても、位置関係も判っていない。 単に自分の教養の無さでしかないけれど、それだけ遠い国…
ひと段落着いたので、通常の読書に戻る。 図書館の中でどんなジャンルを読みたいのだろうかと考えているうちにフロアの端まで来てしまう。 小説でもないし、実用書でも無いし、と思っているうちに、紀行文はどうだろうかと思った。 車谷長吉、名前は何となく…
何かのニュースを見てて気になったので図書館で借りてみた。 副題が 地図好きの 地図好きによる 地図好きのための本 とある通り、地図そのものに関するエッセイである。 3章辺りから筆が走ってる気がする。 古地図のコレクターとしての戦前の地図の話など、…
もしかすると、吉田健一の批評を読むのは初めてかもしれない。 批評のようなエッセイのような、グニャグニャとした文章は分かりにくいので、批評には向いてないように思った。 でもそれは、読み手側の長いサラリーマン生活の因習で、先に結論を知りたがって…
日野原重明は聖路加病院の院長などを歴任し、地下鉄サリン事件では聖路加病院を開放して救護にあたったり、105歳で天命を全うするまで医師として活躍されてて、以前通っていた人間ドックで名前を知っていた。 名前は知っていてもその著作を手にすることは無…
村上龍の「すべての男は消耗品である」というエッセイを読んだのは、たしか大学生の頃で、後から振り返ってみればバブル末期の頃だった。 文化系サークルに属していると本を読む人間は多くて、酔っ払ったときのネタ話の一つに村上春樹と村上龍のどっちが好み…
実は最果タヒの詩を読んだことが無い。 名前ぐらいは知っていて、詩人だという事と、ブログから注目されるようになった、という程度の情報しか知らない。 とはいえ、どんな文章を書くのか気になってはいて、ちょうど古本屋で見つけたので購入した。 恐らく親…
全く内容を覚えていないので、改めて借りて読んでみた。 読んでみたが、たぶん初見なのではないかというぐらい覚えていなかった。 こうなると読んだという記憶自体が怪しい。 内容はというと、エッセイのような小説のような、業界裏話のようなものも混じって…
図書館で何となく借りてみた。 相容れるところは少ないのだけれど、ちょっと読んでみようかと思ったのは、今後の生活のことを考えて、何かヒントがあるかと思ったからかもしれない。 と言っても、やり方そのものを剽窃したり、先導されて行動を起こすつもり…