随筆
日野原重明は聖路加病院の院長などを歴任し、地下鉄サリン事件では聖路加病院を開放して救護にあたったり、105歳で天命を全うするまで医師として活躍されてて、以前通っていた人間ドックで名前を知っていた。 名前は知っていてもその著作を手にすることは無…
村上龍の「すべての男は消耗品である」というエッセイを読んだのは、たしか大学生の頃で、後から振り返ってみればバブル末期の頃だった。 文化系サークルに属していると本を読む人間は多くて、酔っ払ったときのネタ話の一つに村上春樹と村上龍のどっちが好み…
実は最果タヒの詩を読んだことが無い。 名前ぐらいは知っていて、詩人だという事と、ブログから注目されるようになった、という程度の情報しか知らない。 とはいえ、どんな文章を書くのか気になってはいて、ちょうど古本屋で見つけたので購入した。 恐らく親…
全く内容を覚えていないので、改めて借りて読んでみた。 読んでみたが、たぶん初見なのではないかというぐらい覚えていなかった。 こうなると読んだという記憶自体が怪しい。 内容はというと、エッセイのような小説のような、業界裏話のようなものも混じって…
図書館で何となく借りてみた。 相容れるところは少ないのだけれど、ちょっと読んでみようかと思ったのは、今後の生活のことを考えて、何かヒントがあるかと思ったからかもしれない。 と言っても、やり方そのものを剽窃したり、先導されて行動を起こすつもり…
椎名誠を知ったのは、ラジオの朗読で聞いた「さらば国分寺書店のおばば」であったと思う。 その後、何冊か読んだけれど、あまりピンと来ていなかったような気がする。 その「さらば国分寺書店のおばば」を図書館で探したけれど見当たらず、せっかくだからと…
ブルトンがジャリを評して ジャリはアブサントにおいてシュルレアリストである と書いていたので、実際、アブサン酒を呑んでみたいと思ったけれど、その前にアブサン酒とはどんなものなのか、ちょっとした本を読んでみることにした。 図書館の予約システムで…
暇に任せて、久しぶりに杉浦日向子を読み返す。 この本は全国の銭湯を巡り、そこで出会った人(老若男女)、銭湯内(女湯)の様子、酒や美味いもの、などが面白可笑しく語られる。 銭湯や町の歴史のようなものも少し触れられる。 ちょっとふざけ過ぎている面…
何となく星野源のエッセイを手に取る。 同時代の随筆というものは、出来事や意見が身近であるが故に、あまり手に取ろうと思わなくなった。 以前は評論やらも読んでいたはずなのに、いつからか煩わしく、空虚に思うようになってしまった。 それは作品のせいで…
何となく読みたくなって手に取った。 何故読みたくなったのかは、たぶん何かしらの答えのようなものを期待していたのだと思う。 しかし、それが何の問だったのかもわからないくらい、どうでもいい話だったような気がしている。 それはともかく、この本は、中…
もともとちくまプリマリー新書に入っていた本らしい。 なので平易な言葉で、パキスタン、アフガニスタンの状況と、そこでの医療活動を自ら解説している。 こういった社会貢献活動は、自分の生活と遠いもので、そこに積極的にコミットしていない。 だからと言…
講談社現代文庫が創刊60周年で、その中でも最も売れた本が、この本だと聞いて図書館で借りてみた。 というのも、渡部昇一を読むのはこれが初めてである。 名前を聞き覚えがある程度で、ビジネスマンに人気がある保守系の論客という評判をどこかで仕入れてい…
何か読むものはないかと図書館の書架を眺めていて見つけた島田雅彦の随筆である。 思い返してみると、小説は読んだことはあっても、随筆は読んだことがないなと思った。 この本はタイトルの通り酒にまつわる随筆である。 酒そのものに関する蘊蓄というよりは…
20代の頃は、池波正太郎なんて、一生読まないだろうと思っていたが、あれから月日が流れて、ついに買って読んでしまうことになるとは、自分の見通しの甘さに苦笑せざるを得ないのだが、酔っぱらった勢いで購入したと一縷の言い訳を残しておきたい。 どうやら…
久しぶりにオシムの言葉に触れたくて、ついネットでポチッと買ってしまった。 サッカーについてなにか言えるほど知っているわけでもないし、日本代表に熱狂するほどサッカー好きなわけでもない。 だが、昔読んだ「オシムの言葉」という本だったか、が何とな…
酔っぱらってふらっと入ったブッ〇オフで購入した本。 猪瀬直樹の本はこれで3冊目ぐらいだったと思う。 つまりほとんど読んでいない。 昭和20年のポツダム宣言の受け入れから昭和23年の東條英機の処刑までの昭和天皇、平成天皇、マッカーサー司令官の動きを…
ラジオで紹介されていたのでちょっと借りてみた。 アナログ vs デジタル、という構図で、デジタル的なものに対してアナログなものがリベンジする、という物語が繰り返される。 対象はレコード、ノート、フィルムなどのアイテムである。 この本が書かれるため…
ヨシタケシンスケのエッセイ第二弾も併せて借りた。 なるほど分かる気もするイラストもあれば、それはどうだろうかというものもある。 著者というより、出版社が欲を出したのかもしれない。 文章での説明がないイラストだけのの方が良いものもあると思った。…
図書館で読む本を探していて、ちょっと読んでみようかと手に取った。 名前も知っているし、子供向けの絵本を何冊か試し読みをしたこともあるが、ちゃんと読んだのは初めてである。 いまさら説明の必要も無いと思うが、絵本作家であり、エッセイストといって…
何もしない、ということを主張する、というのはある種の皮肉めいたものだと本の始まりの方で著者も述べているが、「何もしない」ということを額面通りに、というか、自分の基準で受け取ってはいけない。 著者はアメリカのアクティビスト、ってことは活動家の…
向田邦子氏は親戚の叔母さんのような印象がある。 実際、自分の親たちと生年が近く、東京生まれではあるけれど、それだけではないような気がしている。 この本は、生前に週刊文春で連載されていた「女の人差し指」を中心に、未刊行だったエッセイを集めた本…
料理本というよりは、料理文化の本のようだと思った。 例えば美味しいものを食べた、という話ではなく、この美味しい料理は素材の美味しい時期を知っている先人の知恵が云々、といったニュアンスで伝わるだろうか。 それが面白い時もあるが、何となく冷めた…
こういった作品集は年代で編まれていないので、何だか読みづらい気がするのだけれど、手軽に読めるのだからそう文句を言うものでもない。 小泉八雲の主だった作品を集めている。 が、紙の本で読んだ「日本の面影」などが入っていないのは残念だ。 もしかする…
もう何年前に読んだのか覚えていない。 高校の副読本に載っていたのは覚えている。 時折、表題の「陰翳礼讃」が引用されたり、引き合いに出されたりするのを見聞きするが、実際に読んでみるとどうなのかと思って読み返してみた。 高校生の頭ではピンと来なか…
かつて澁澤龍彦という名は、傍流の文学者の中でもビッグネームだったと思う。 澁澤龍彦の本を読んでいるというだけで、親の世代は眉をひそめ、同級生たちは「変な奴」という目で見ていたのではないかと思うし、そういった評価をあえて受けたくて手に取ろうと…
幼い頃にTVで観ていたし、結婚のニュースも引退コンサートもリアルタイムで知っていたけれど、山口百恵とはどんなアイドルだったのかを説明できるほど知らない。 当時の人気も、宇崎竜童&阿木燿子のヒット曲も知っているけれど、それは山口百恵その人を知っ…
引き続き、飯山陽氏の本を読む。 著者がエジプト滞在中の体験と、ムバラク体制の崩壊、モルシ体制の崩壊、という2つの革命を通じて、エジプトのイスラム教の姿を描いている。 平易な文章と、日常生活が中心の随筆なのだけれど、扱われているテーマは重い。 …
坂口恭平氏の本を初めて読んだ。 何というか、自己肯定感の強い人だと思った。 躁鬱状態にあるらしいので、一概に、というか、人となりとしてそう言い切るのは異なるかもしれない。 もう少し正確に言うなら、自己肯定感に溢れている本だと思った。 坂口恭平…
西東三鬼の名前は、現代俳句を漁っていた頃に知り、戦前の京大俳句事件や、現代俳句の表現を知るきっかけとなった一人である。 とはいえ、朝日文庫の「現代俳句の世界9 西東三鬼集」を読みかけた程度で、深く掘ってはいなかった。 そもそも現代俳人の句集が…
吉田健一の娘さんの本があると知り読んでみた。 生前の吉田健一を知らないが、語られる姿は文士というよりは、サラリーマンのようだと思った。 もっと破天荒だったり桁外れなところがあるのが文士だという読者の勝手な想像とは異なっている。 恐らく家族の目…