雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

泰平ヨンの未来学会議/スタニスワフ・レム

レムの泰平ヨンシリーズを借りてみた。

未来学会議でテロに巻き込まれ、脳移植を経て未来世界で目を覚ますと、そこはドラッグ漬けの世界で、というドタバタSF。

ドラッグ社会を批判しているとかって感想も見るが、批判しているだろうか。

むしろ、現実とは何か、自己認識とは何か、という命題に対するSFだと思う。

そして造語と奇妙な概念が次から次へと登場して読みにくい。

まぁ、そんなことも含めてレムなので、そのことで面白さが減るわけでもない。

 

 

沖縄生活誌/高良勉

この方の著作を読むのは初めてだと思っていたら、吉本隆明の南島論の著作「琉球弧の喚起力と南島論」で共同執筆されていた。

この本は、一言でいうなら、四季を通じて沖縄の慣習等を紹介する本だ。

正月に始まり大晦日に至る沖縄の一年を、フィールドワークに裏付けされた奄美から八重山の違いと、個人体験を混ぜながら語っている。

読んで思ったのは、遠い沖縄には、自分の身の回りとは異なる文化があって、異なる時間があるように思った。

血縁共同体、祖先崇拝がまだ沖縄では色濃く残っているようで、それが異なる世界、文化の印象に影響している。

それは羨ましいものでもあり、一方で疎ましく思ってきたものの一つでもある。

だからこそ、ある種の憧れのようなものを持って読み終えた。

たぶん私は、沖縄に旅行はしたいと思うが、住みたいとは思わないだろう。

土地と文化と生活、難しいものだ。

 

沖縄生活誌 (岩波新書 新赤版 (966))

沖縄生活誌 (岩波新書 新赤版 (966))

 

 

夏への扉/ロバート・A・ハインライン

何故か、この本を読んでいなかった。

SFの入り口がウェルズ、ヴェルヌ、小松左京眉村卓であった小中学生の頃、長編は長すぎるからだろう。(小松左京の長編も、ほとんど未読)

なので、ちょっと読んでみようかという気になった。

読んでみたら面白い。

中学生の頃にSF好きの友人に薦められたのを思い出した。

わかりやすいプロットとちょっと感傷的な主人公の言い回しは、なるほど名作と言われる所以か。

主人公の相棒として猫のピートは、そう重要な役どころでもないが、物語のアクセントとして効いており、「猫小説」と言われるのも納得。

ジュブナイル系のSF好きであれば、気に入るだろう。

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

きょうも上天気/浅倉久志 訳、大森望 編

ふと図書館で眼についたので借りてみた。

浅倉久志が翻訳したSFの短編のアンソロジーである。

バラードやヴォネガットの作品は、以前読んだことがあったが、あまりピンとくる作品がなかった。

久しぶりに活字を読んだので、読めてないのかもしれない。

 

 

失敗の本質/戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎

ちょっと気になっていたので買ってみた。

旧日本軍の作戦失敗の原因を、組織論で解説する、という本。

どっちかというと、歴史読み物というよりは、ビジネス書である。

学習する組織だとか、意思疎通だとか、そう言うのが気になる人向きかと思う。

逆に、何が言いたいのかぼやけているような気がしなくも無い。

失敗した作戦を取り上げて、そこにある原因を分析するのは間違ってはいないだろうが、成功への転回点は曖昧になっているように思った。

答えの明示、今までにない提言、といったものを欲しがるビジネス書の読者層には、この長さは耐えられないかもしれない。

かといって、出来事のディテールにこだわりたい歴史ファンにしてみると、紋切り型に近い原因分析は退屈なのではないだろうか。

私はどちらかというと、歴史ファン目線で読んだので、日本人論的な分析、組織論への展開に至るにつれて、聊か鼻白む思いがした。

 

 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

 

ロック読本/渋谷陽一 選

某大手の古本チェーン店で叩き売りされていたので買ってみた。

福武文庫を叩き売りするなんて、最高すぎる。

まぁ、世間では本を読まないらしいので、そんなことで喜んでいるのだって変人扱いなんだろう。

執筆陣は渋谷陽一を始めとする音楽ライターだけでなく、忌野清志郎泉谷しげる桑田佳祐中沢新一よしもとばなな等、ちょっとおもしろいラインナップである。

プレスリー以降、ビートルズからパンク辺りまでは言及されているけれど、90's以降のグランジ、ミクスチャーといった辺りは入ってこない。(1989年出版なので当たり前)

軽く読めてなかなか楽しい本であった。

 

ちなみに福武文庫の目録をアップされてる方がいたので、

kanchu-haiku.typepad.jp

を参照。

 

 

 

 

持たない幸福論/pha

年末に期限切れになる楽天ポイントが貯まってたので、今まで読んでなかったようなものを、ちょっと読んでみようかと探していて気になった1冊。

ちょっと著者の方はネット上では知っていたが、本を出していることは知らなかった。(ネットを表面的にしか見ていないのがバレる)

副題が「働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」ということで、それが趣旨のエッセイ?だろうか。

ある種の人生論的な読み物だと思うけど、この本を手に取るのは誰なんだろうと思った。

悪い意味ではなく、率直に想定する読者層が想像できなかった。

それがこの本の価値なのかどうなのか、どこか自分の中で消化しきれない感じがした。

それが悪いことではないのだけれど。