雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

女の人差し指/向田邦子

何だか向田邦子が気になる。

たぶん同年代に近くなった。

向田邦子のエッセイに、親近感のようなものを覚えているような気がする。

何とはないようなことなのだが、それでも読ませる文章だと思う。

内容ではなく(とは言えゼロではないが)書きっぷりで読ませるというのはやはりプロのテクニックなのだと思うが、そこに至る人間としての深みのようなものがあるに違いない。

それはそれまでの経験だったり、普段からの思慮だったりするのだろう。

つまりエッセイに書けるだけの経験を積んでいる結果なのだろうと思うと、一方で自分はどうなのかと思う。

書き手と読み手の距離が近くなってきたからこそ、書いている文章というより、その背後の書き手が気になる。

もちろん同じであるわけもなく、違うからこそ読み甲斐がある。

読み甲斐があるからこそ、焦燥感にも似た感じがする。

 

新装版 女の人差し指 (文春文庫)

新装版 女の人差し指 (文春文庫)

 
女の人差し指 (文春文庫)

女の人差し指 (文春文庫)

 
女の人差し指 (文春文庫)

女の人差し指 (文春文庫)

 

 

発想力獲得食/眉村卓

ジュブナイルではない眉村卓を読んでみたくて借りてみた。

この本は食にまつわるショートショートである。

SFっぽいのもあればそうでないものもある。

どの話もちょっと洒落ていて、ユーモアがある。

もう少し読んでみようかと思った。

 

発想力獲得食 (双葉文庫)

発想力獲得食 (双葉文庫)

 

 

マルドゥック・フラグメンツ/ 冲方丁

冲方丁が気になって、もう一冊借りてきた。

この前のはエッセイのようなものだったので、時代小説かSFか。

だがいきなり長編世界に飛び込むのは気が引けたので、短編集に手を出した。

だがこの選択は、結果的には失敗だった。

この本はマルドゥックシリーズの各長編のインテルメッツォ的な位置にあって、物語背景は長編に依存している。

だから、物語に入り込めず、また消化不良な終わり方のように見えてしまう。

 

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

 

 

人民は弱し 官吏は強し/星新一

この本もまた図書館で借りた。

星新一の父、星一氏の伝記小説である。

面白い?面白いだろうか?

星製薬の盛衰を描いているとも言えるし、星一氏と明治日本官僚の攻防を描いているとも言える。

判官贔屓というと失礼だが手放しに、官僚は腐っている、星氏かわいそう、と言うのは間違っているような気がする。

あらゆる組織は生まれた瞬間から腐り始めるのであって、そのことを言い立てて正義のナイフを振りかざすのは、子供なのか、何か悪意があってのことと思った方がいい。

これは現実によく似た寓話であり、腐った組織と渡り合うためにはどうすべきなのか、というビジネス書として読んでみるのが良いだろうと思った。

もっともそんなことを思って読んで楽しいはずは無い。

 

人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

 
人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

 

 

男どき女どき/向田邦子

この本もまた、図書館で借りた。

歳をとって、向田邦子を読むようになった。

この本で扱われているテーマは、人生の機微のようなものだ。

歳を取ると些細なことにも涙脆くなる。

そんな些細なことに共感する自分がいる。

 子供は大きな物語が好きだ。

例えばジュブナイルのような善と悪、光と闇が対立して抗争するが勝者がいるような物語だ。

ちょっとひねってどんでん返しがあっても、構図が変換されるだけで、大きな物語としては変わりはしない。

この本に出てくるのはそういうものではない。誰が勝ったというのでもない。

そういう物語は大人でないとわからない。

 

男どき女どき (新潮文庫)

男どき女どき (新潮文庫)

 

 

もらい泣き/冲方丁

この本もまた図書館で借りた。

というか、何ヶ月も本を読んでいないという状況はどうなのか。

もう、自分は本というメディアと決別するのだろうか。

と、そんなことを考える訳も無く、図書館で目についた本を借りてみた。

名前は見覚えがある。

というか、図書館に文庫で入っているということは、推して知るべし。

実際のところ、面白いのであった。

泣けなかったけれど。

思い出したのは、ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」である。

そう思うと、物語そのものがリミックスな時代なのかもしれない。

もともとの連載の途中で東日本大震災があったとのことで、そのこと自体も語られる。

そして、作者名を「うぶかたとう」であることを、この本で初めて知ったのであった。

 

もらい泣き (集英社文庫)

もらい泣き (集英社文庫)

 

  

もらい泣き (集英社文庫)

もらい泣き (集英社文庫)

 

 

もらい泣き

もらい泣き

 

 

 

四国遍路日記/種田山頭火

この本もまた電子書籍である。

山頭火についてはほとんど知らない。

放浪の俳人、自由律俳句、そんなところか。

この本は日記であり、作品とはあまり関係がない。

 

四国遍路日記

四国遍路日記