雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

書百話/榊莫山

榊莫山という名前を知ったのが、米焼酎のCMであったなんて、お里が知れるというものだろうか。

有名な書家ではあるが、その作品は好みではない。

だが、書に対する考えや、エピソードなどは面白く読めた。

 

 

書百話

書百話

 

 

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ノストラダムスの大予言/五島勉

1999年7月に恐怖の大王が来て世界が滅ぶ、という予言は、小学校の教室の中で、幾度となく盛り上がった。

どうせ世界は滅びるんだから、やりたいことをやったほうが良い、という価値観は、1980年代後半からのバブル期の消費マインドの根底に繋がっていたような気がする。

結局のところ、1999年に世界は滅びなかったし、今では、ノストラダムスの名前を聴く機会も、大分減ってしまった。

世界が滅ぶんだったら踊ってようぜ、というのがPrinceの1999、あの頃に戻りたいよ、もう一発かましてくれよ、なんて歌いながらさ、というのがCharlie XCXの1999、どちらにしても1999年というのは特別な時間であることが意識の何処かにあって、何かとネタになりやすいのではないだろうか。

最近でも1999年7月を舞台とした小説や漫画を目にすることがある。

1999年の予言とは、なんだったのか、かつてのベストセラーを読み返してみる。

既に外れた予言の内容を検証することには何の意味もない。

1999年7月に世界は滅ぶ、という甘美な夢を、どうやって囁いたのかという、語り口を検証するべきなのだろうと考えた。

そう思って読み返してみると、あまりに粗雑な文章構成にくらくらする。

「おそらくは」と「間違いない」が一文の中にあったり、資料から想像で組み立てられた会話がまるで再現ドラマであるかのように断定されていたり、子供だましのレトリックがこれでもかと続く。

しかしそれを、いちいちあげつらって解ったような批判をしたいわけではない。

この本で主に著者の感想として述べられている公害問題への警鐘が、当時の読者たちの心象の中に納得感として残り、ひいては引き合いに出された1999年7月の予言が、リアリティを持って受け入れられたのではないだろうか。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、の類の構造ということではないだろうか。

なお、大予言シリーズはこの後、続巻を重ねていって、当時は買った覚えもある。

そのまま持っていれば、この本を図書館で借りる必要もなかったな、と思った。

 

 

泥酔懺悔

酔いにまつわるエッセイなのだが、酒を呑まない方の話が多くて、いささか鼻白む。

この本を企画はどういうつもりだったのか、逆に気になってしまう。

 酔っぱらいの話は読むものではなくて、聞くものだということが良く分かる本である。

  

 

無趣味のすすめ/村上龍

久しぶりに村上龍のエッセイを読む。

村上龍はビジネスマン的な意味で、小説家だと思う。

つまり、小説家という職業を真面目にやっている感じがする。

この本は雑誌のコラムコーナーが、元のようだ。

だから、分かりやすく、手短にまとめられている。

 

 

 

無趣味のすすめ 拡大決定版 (幻冬舎文庫)

無趣味のすすめ 拡大決定版 (幻冬舎文庫)

 

 

夜明けのブランデー/池波正太郎

何となく読んでみた。

池波正太郎が気に入ってるわけではない。

たぶん合わないタイプの人のような気がするが、文章は面白い時もある。

 そして老いというものがにじみ出ている。

 

 

芭蕉入門/幸田露伴

芭蕉という名前は、ある種のシンボリックな記号であり、その名前を出せば免罪符的な効果があるようだ。

だが幸田露伴芭蕉論は、批評というよりは、読者として面白がっているようなところがあると思った。

だが、幸田露伴の持つ江戸文学に対する素養と、自分の持つ素養が違いすぎて今ひとつついていけなかった。

 

芭蕉入門 (講談社文芸文庫)

芭蕉入門 (講談社文芸文庫)

 

 

トリエステの坂道/須賀敦子

須賀敦子氏の名前は、アントニオ・タブッキの翻訳者として覚えてはいた。

しかし、作家としての作品に手を取ることもなかったのだが、ちょっと読んでみようかと図書館で借りてみた。

実に不勉強なことなのだが、イタリア在住の後、上智大学で教鞭を執り、日本文学をイタリアに紹介されていたことを知った。

この本は、氏のイタリアでの生活を下敷きにした、家族を中心にした随筆である。

イタリアだから、家族だから、ということではなく、日本でもありそうな、その辺りにいる家族や知り合いの話が淡々と語られる。

ややもすれば平淡になりそうなだが、何故か惹きつけられるのが面白い。

 

 

トリエステの坂道 (新潮文庫)

トリエステの坂道 (新潮文庫)