雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

泥酔懺悔

酔いにまつわるエッセイなのだが、酒を呑まない方の話が多くて、いささか鼻白む。

この本を企画はどういうつもりだったのか、逆に気になってしまう。

 酔っぱらいの話は読むものではなくて、聞くものだということが良く分かる本である。

  

 

無趣味のすすめ/村上龍

久しぶりに村上龍のエッセイを読む。

村上龍はビジネスマン的な意味で、小説家だと思う。

つまり、小説家という職業を真面目にやっている感じがする。

この本は雑誌のコラムコーナーが、元のようだ。

だから、分かりやすく、手短にまとめられている。

 

 

 

無趣味のすすめ 拡大決定版 (幻冬舎文庫)

無趣味のすすめ 拡大決定版 (幻冬舎文庫)

 

 

夜明けのブランデー/池波正太郎

何となく読んでみた。

池波正太郎が気に入ってるわけではない。

たぶん合わないタイプの人のような気がするが、文章は面白い時もある。

 そして老いというものがにじみ出ている。

 

 

芭蕉入門/幸田露伴

芭蕉という名前は、ある種のシンボリックな記号であり、その名前を出せば免罪符的な効果があるようだ。

だが幸田露伴芭蕉論は、批評というよりは、読者として面白がっているようなところがあると思った。

だが、幸田露伴の持つ江戸文学に対する素養と、自分の持つ素養が違いすぎて今ひとつついていけなかった。

 

芭蕉入門 (講談社文芸文庫)

芭蕉入門 (講談社文芸文庫)

 

 

トリエステの坂道/須賀敦子

須賀敦子氏の名前は、アントニオ・タブッキの翻訳者として覚えてはいた。

しかし、作家としての作品に手を取ることもなかったのだが、ちょっと読んでみようかと図書館で借りてみた。

実に不勉強なことなのだが、イタリア在住の後、上智大学で教鞭を執り、日本文学をイタリアに紹介されていたことを知った。

この本は、氏のイタリアでの生活を下敷きにした、家族を中心にした随筆である。

イタリアだから、家族だから、ということではなく、日本でもありそうな、その辺りにいる家族や知り合いの話が淡々と語られる。

ややもすれば平淡になりそうなだが、何故か惹きつけられるのが面白い。

 

 

トリエステの坂道 (新潮文庫)

トリエステの坂道 (新潮文庫)

 

 

ハーモニー/伊藤計劃

スマートウォッチがリアルタイムに人体の情報を収集し、クラウド上に集積して、AIが夕飯のオススメをプッシュ通知で知らせる、というのは既に現実である。

システムに接続すると健康が維持される世界は、徐々に現実に近づいている。

フーコーが告発した生権力が支配している社会は、反対意見もなく広がっていく。

この本の舞台になっている世界は、現実と地続きの風景であるため、そこで起こる事件はとてもグロテスクでリアルに見える。

作者が明日にでも起こりうるかもしれない未来を描いたのか、現実とテクノロジーがSFの想像力に追いついたのか解らない。

しかし、この本は「わたし」に関する考察でもある。

それぞれの「わたし」がいる限り、世界には平和もなく汚れている、と考えるのはカルト的発想に他ならないと思うが、それが本当に選択され得るのか、という思考実験でもあると思った。

最悪の結果があるならあいつはそれを選ぶだろう、という、まるでマーフィーの法則のように物語は転がっていく。

だが、物語が終わっても、その世界が終わらない、というのが、このデストピアの特色でもあり、現実に進行している世界なのだろう。

 

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

アドラーをじっくり読む/岸見一郎

最近、アドラー心理学をよく耳にするので、また解説本を読んでみた。

そろそろ直に触れたほうが良いだろうか。

まだ何故か躊躇ってしまう。

 

アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)

アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)