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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

AKIRA(1)/大友克洋


想像力の質とは何だろうか

AKIRA(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

AKIRA(1) (KCデラックス ヤングマガジン)


久しぶりに読んでみたくなって引っ張り出してみる。SF的なのはもっと先なのだが、近未来を想像する端緒はやはり1巻だろうか。物語の設定として、1982年に東京が壊滅し、WW?があり、復興し、まもなく東京でオリンピックを迎える2019年がスタートだ。連載されていたのが80年代の前半だったことを思うと、この設定は、その時点で「いま起こりうる破滅」を想定し、WW?からその時点の「今」までの時間を継ぎ足したものだ。時間の幅としての40年弱とは長いのか短いのか、それはこの作品の範疇には無い。それまでの歴史と今後の見通しを踏まえたうえでの「2019年」でもない。だから、この作品において、時間や歴史は重要だとみなされていない。1巻で描かれる日常は、1980年代までの日本の日常の延長であり、大友克洋の精密そうな、でもちょっと薄汚れた感じは、当時のそして今でも、日本の雰囲気を良く表しているような気がする。超能力を持つ者が、路地裏を走り回り、それを追いかける者たちは、旧式の銃を振りかざして追いかける。未来を描いているようで、実は過去のイコンに溢れている。だとすると、今描ける未来はどんなだろうか?