この本は食にまつわるショートショートである。
SFっぽいのもあればそうでないものもある。
どの話もちょっと洒落ていて、ユーモアがある。
もう少し読んでみようかと思った。
冲方丁が気になって、もう一冊借りてきた。
この前のはエッセイのようなものだったので、時代小説かSFか。
だがいきなり長編世界に飛び込むのは気が引けたので、短編集に手を出した。
だがこの選択は、結果的には失敗だった。
この本はマルドゥックシリーズの各長編のインテルメッツォ的な位置にあって、物語背景は長編に依存している。
だから、物語に入り込めず、また消化不良な終わり方のように見えてしまう。
マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)
この本もまた図書館で借りた。
面白い?面白いだろうか?
星製薬の盛衰を描いているとも言えるし、星一氏と明治日本官僚の攻防を描いているとも言える。
判官贔屓というと失礼だが手放しに、官僚は腐っている、星氏かわいそう、と言うのは間違っているような気がする。
あらゆる組織は生まれた瞬間から腐り始めるのであって、そのことを言い立てて正義のナイフを振りかざすのは、子供なのか、何か悪意があってのことと思った方がいい。
これは現実によく似た寓話であり、腐った組織と渡り合うためにはどうすべきなのか、というビジネス書として読んでみるのが良いだろうと思った。
もっともそんなことを思って読んで楽しいはずは無い。
この本もまた図書館で借りた。
というか、何ヶ月も本を読んでいないという状況はどうなのか。
もう、自分は本というメディアと決別するのだろうか。
と、そんなことを考える訳も無く、図書館で目についた本を借りてみた。
名前は見覚えがある。
というか、図書館に文庫で入っているということは、推して知るべし。
実際のところ、面白いのであった。
泣けなかったけれど。
思い出したのは、ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」である。
そう思うと、物語そのものがリミックスな時代なのかもしれない。
もともとの連載の途中で東日本大震災があったとのことで、そのこと自体も語られる。
そして、作者名を「うぶかたとう」であることを、この本で初めて知ったのであった。