雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

発想力獲得食/眉村卓

ジュブナイルではない眉村卓を読んでみたくて借りてみた。

この本は食にまつわるショートショートである。

SFっぽいのもあればそうでないものもある。

どの話もちょっと洒落ていて、ユーモアがある。

もう少し読んでみようかと思った。

 

発想力獲得食 (双葉文庫)

発想力獲得食 (双葉文庫)

 

 

マルドゥック・フラグメンツ/ 冲方丁

冲方丁が気になって、もう一冊借りてきた。

この前のはエッセイのようなものだったので、時代小説かSFか。

だがいきなり長編世界に飛び込むのは気が引けたので、短編集に手を出した。

だがこの選択は、結果的には失敗だった。

この本はマルドゥックシリーズの各長編のインテルメッツォ的な位置にあって、物語背景は長編に依存している。

だから、物語に入り込めず、また消化不良な終わり方のように見えてしまう。

 

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

 

 

人民は弱し 官吏は強し/星新一

この本もまた図書館で借りた。

星新一の父、星一氏の伝記小説である。

面白い?面白いだろうか?

星製薬の盛衰を描いているとも言えるし、星一氏と明治日本官僚の攻防を描いているとも言える。

判官贔屓というと失礼だが手放しに、官僚は腐っている、星氏かわいそう、と言うのは間違っているような気がする。

あらゆる組織は生まれた瞬間から腐り始めるのであって、そのことを言い立てて正義のナイフを振りかざすのは、子供なのか、何か悪意があってのことと思った方がいい。

これは現実によく似た寓話であり、腐った組織と渡り合うためにはどうすべきなのか、というビジネス書として読んでみるのが良いだろうと思った。

もっともそんなことを思って読んで楽しいはずは無い。

 

人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

 
人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

 

 

男どき女どき/向田邦子

この本もまた、図書館で借りた。

歳をとって、向田邦子を読むようになった。

この本で扱われているテーマは、人生の機微のようなものだ。

歳を取ると些細なことにも涙脆くなる。

そんな些細なことに共感する自分がいる。

 子供は大きな物語が好きだ。

例えばジュブナイルのような善と悪、光と闇が対立して抗争するが勝者がいるような物語だ。

ちょっとひねってどんでん返しがあっても、構図が変換されるだけで、大きな物語としては変わりはしない。

この本に出てくるのはそういうものではない。誰が勝ったというのでもない。

そういう物語は大人でないとわからない。

 

男どき女どき (新潮文庫)

男どき女どき (新潮文庫)

 

 

もらい泣き/冲方丁

この本もまた図書館で借りた。

というか、何ヶ月も本を読んでいないという状況はどうなのか。

もう、自分は本というメディアと決別するのだろうか。

と、そんなことを考える訳も無く、図書館で目についた本を借りてみた。

名前は見覚えがある。

というか、図書館に文庫で入っているということは、推して知るべし。

実際のところ、面白いのであった。

泣けなかったけれど。

思い出したのは、ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」である。

そう思うと、物語そのものがリミックスな時代なのかもしれない。

もともとの連載の途中で東日本大震災があったとのことで、そのこと自体も語られる。

そして、作者名を「うぶかたとう」であることを、この本で初めて知ったのであった。

 

もらい泣き (集英社文庫)

もらい泣き (集英社文庫)

 

  

もらい泣き (集英社文庫)

もらい泣き (集英社文庫)

 

 

もらい泣き

もらい泣き

 

 

 

四国遍路日記/種田山頭火

この本もまた電子書籍である。

山頭火についてはほとんど知らない。

放浪の俳人、自由律俳句、そんなところか。

この本は日記であり、作品とはあまり関係がない。

 

四国遍路日記

四国遍路日記

 

 

春と修羅/宮沢賢治

この本もまた電子書籍である。

宮沢賢治の詩を読んだことが無かったので、試しに読んでみる。

詩というのは非常に私的なもののように思っているが、実は最も抽象的な言葉であり、何が書かれているとか、何を言おうとしているとか、学校で教えられるような捉え方では、何も掴めていない。

宮沢賢治の生活や生涯について何となく知ってはいても、詩の端々に見える姿は何だろうか。

もう少し、宮沢賢治を読み直してみても良いかと思った。

 

『春と修羅』

『春と修羅』

 

 

 

 

 

 

 

『春と修羅』補遺