雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

モンテーニュ 人生を旅するための7章/宮下志朗

最近、モンテーニュエラスムスパスカルといった、西欧近代初頭の思想家が気になる。

中世から近代への転換は、神の視点から人間の視点という変更があったのではないか、と推測している。

だが一括りにそう言ってみたところで、何も考えたり言ったことにはならない。

モラリストとはいったい何者なのか。

その中でも、モンテーニュが気になってきたので、入門書を図書館で借りてみた。

モンテーニュの生きた時代背景、モンテーニュ自身の生い立ち、そして抄訳と解説といった内容であり、入門書として申し分ない。

次は本陣へと乗り込もうかと思うが、大著でありちょっとひるんでいる。

 

 

織田作之助全集

断続的に読み続けていたので、半年ぐらい掛かったろうか。

織田作之助の名前は知っていてもほとんど読んでいなかった。

青空文庫で何篇かつまみ読みしてみたら、案外面白かったので、全集を手に入れてみた。

青空文庫で無料公開しているものが、纏まると有料になるのは何だか変だと思うが、まぁ1回の購入、ダウンロードで手に入るのだから手間賃だろうかとも思っている。

代表作の「夫婦善哉」を始め、どの作品も話し言葉大阪弁、舞台は大阪市内ばかりで、数年前の大阪出張の頃の光景を思い浮かべながら読み耽った。

何も高尚な思想めいたものなど無く、人々の心の機微などに触れる繊細な作品が多いと思った。

悪く言えば通俗小説っぽい、が、何も高尚な考えばかりが文学でもないだろう。

本人も何の作品だったか忘れたが、脚本的な感じもする。

なかなか面白いと思った。

 

『織田作之助全集・70作品⇒1冊』

『織田作之助全集・70作品⇒1冊』

 

 

ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険/ジョン・ハンケ

この本も図書館で借りた。

NianticのCEOで、かつてはGoogle Earthの中心人物であったジョン・ハンケ氏の自伝、というか思い出話。

Field TripやIngressに対する氏の思いが溢れている。

たぶん彼の仕事に興味の無い人には何も響かないだろうか。

 

 

横浜駅SF/柞刈湯葉

ようやくオリジナルが読めた。

というのも、図書館の順番待ちのせいだが、仕方がない。

嫌なら買って読めという話にすぎない。

横浜駅という生命体が本州を覆い尽くした未来を舞台にした冒険小説、とでも纏めようか。

スラスラと読めたのだが些か平坦な気もする。

だが小説を読むこと自体が久しぶりなので、印象は当てにならない。

 

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

  • 作者:柞刈湯葉
  • 発売日: 2016/12/24
  • メディア: 単行本
 

 

 

ゆるみ力/阪本啓一

何となく気になって古本で買って読み返してみたのだけれど、ちょっと違ったようだった。

 

ゆるみ力 日経プレミアシリーズ

ゆるみ力 日経プレミアシリーズ

  • 作者:阪本 啓一
  • 発売日: 2008/06/01
  • メディア: 単行本
 

 

房総の捕鯨/金成英雄

この本も市川の古本屋で購入。

房総半島における捕鯨の歴史をざっとまとめている本。

元新聞記者の方らしく、文章は読ませる。

漁民が紀州からやってきて千葉に住み着いたという説は広まっているが、そうでは無いという意見もあるらしいことがこの本には登場する。

江戸時代の捕鯨の話、大正期の捕鯨会社の話、また実際に古老にインタビューするなど、なかなか濃い内容だった。


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江戸川物語/伊藤晃

市川の古本屋で購入。

流山の作家の方らしい。

自筆のサインと蔵書印が押してあった。

江戸川の名前の由来から始まり、著者の思い出話に遡る。

見たこともないのに、懐かしい感じがするのは何故だろうか。

海を見に、江戸川の土手沿いに下っていく話など、川沿いで育ったものならではの感性かもしれないと思った。


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