断続的に読み続けていたので、半年ぐらい掛かったろうか。
織田作之助の名前は知っていてもほとんど読んでいなかった。
青空文庫で何篇かつまみ読みしてみたら、案外面白かったので、全集を手に入れてみた。
青空文庫で無料公開しているものが、纏まると有料になるのは何だか変だと思うが、まぁ1回の購入、ダウンロードで手に入るのだから手間賃だろうかとも思っている。
代表作の「夫婦善哉」を始め、どの作品も話し言葉は大阪弁、舞台は大阪市内ばかりで、数年前の大阪出張の頃の光景を思い浮かべながら読み耽った。
何も高尚な思想めいたものなど無く、人々の心の機微などに触れる繊細な作品が多いと思った。
悪く言えば通俗小説っぽい、が、何も高尚な考えばかりが文学でもないだろう。
本人も何の作品だったか忘れたが、脚本的な感じもする。
なかなか面白いと思った。