雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

人間レコード/夢野久作

これもまた電子書籍で読んだ。

青空文庫夢野久作が入っていると気付いて、久しぶりに読んでみようかとDL。

たぶん読んだことが無い。

読み出して、あれ?これって、ウィリアム・ギブスンの「記憶屋ジョニイ」じゃないか、と。

 

人間レコード

人間レコード

 

 

檸檬/梶井基次郎

実は電子書籍で読んでいるのだけれども、一話一話、画像を張り付けるのも何なので、最初に読んだ時の新潮文庫の画像を張り付けることにした。

久しぶりに読み返して見ると、微かな違和感がある。

書いていることが判らないとか、不快だということではないのだけれど、何か上滑りしていくような。

もしかすると、梶井基次郎の作品は、読み手を選ぶのかもしれない。

いくつか読んでいていても、違和感は消えていかない。

むしろ、かせきさいだぁ≡のフロウを読んでいるかのようだ。

(1stアルバムの曲に、かなり引用されていたのだった)

気がつけば、もうずいぶん遠いところまで来ていたのだなぁ、という感想のようなものかもしれない。

 

檸檬 (新潮文庫)

檸檬 (新潮文庫)

 

 

春琴抄/谷崎潤一郎

この本もまた電子書籍である。

ちょっとした調べ物で、読み返してみた。

谷崎はどうも肌に合わない。

嫌いじゃない気もするのだけれど、最近はあまり読みたいと思わない。

耽美的なものに対する憧れのようなもの、が鼻につくのだろうか。

この物語の中心は、佐助のマゾヒズムなのだろうが、そこに共感が出来ないからいまひとつなのだろうか。

 

春琴抄

春琴抄

 

 

最初に読んだときは新潮文庫の細かな文字の版だったっけ。

 

春琴抄 (新潮文庫)

春琴抄 (新潮文庫)

 

 

鬼/織田作之助

この本もまた電子書籍である。

織田作之助にでも手を出してみるかと思い立ち、探してみるとやはり青空文庫に入っている。

とりあえず短そうなものから手を付ける。

主人公の辻は文筆業で仕事になると、やたらと煙草を喫み、その他のことがずぼらになってしまうという男だが、金に汚いと周りからは思われている。

イデアが頭に浮かぶとその他のことが見えなくなってしまう。

言わば、仕事の「鬼」だろうか。

まぁ、それなりに楽しめる。

 

鬼

 

 

半島一奇抄/泉鏡花

この本もまた電子書籍である。

伊豆を舞台とした化け物話である。

化け物が何であるかを書くとつまらないので書かないが、遠近感の歪んだ感じが良い佳品だろう。

 

半島一奇抄

半島一奇抄

 

 

まざあ・ぐうす

この本もまた、電子書籍である。

作者不詳だが日本語に訳されていた。

読んでみたら訳者は北原白秋であった。

なので、これはまるで白秋の詩集である。

 

 

怪談女の輪/泉鏡花

この本もまた電子書籍で読んだ。

まさか、泉鏡花電子書籍で読むとは。

泉鏡花の文章には独特のリズムがあって、それに乗るとするすると頭に入ってくる。

ただ、独特の当て字というか、創作文字がインターネットの世界では再現できない。

そもそも、康煕字典のどの程度カバーできているのか。

それはともかく。

冬に怪談を読むのも、また一興。

ありふれた話のようで、恐怖の演出がなかなか芸が細かく、さすがだと思わせる小品である。 

怪談女の輪

怪談女の輪