雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

原始仏典を読む/中村元

本棚から引っ張り出して読む。

たぶん読了していなかったようだ。

こういった本が何冊もあるような気がする。

岩波のセミナーの講義録をベースに、原始仏典といわれる初期の経を基に、仏陀の教え、仏陀の生涯、そして仏教徒としての振る舞いについて解説していく、といった内容である。

平易に書かれているようであって、中村氏の考えが付加されている部分が、少なからずある点が気になった。

例えば仏教用語の解説に少なからず比較言語学的な考察が入っているが、それは経典を読む上では不要なイメージを与えてしまうことにならないかと思った。

語義を正しく理解する、ということと、語形の変遷はまた別の話なのではないだろうか。

ともあれ、語り調の文章であり、読みやすいものではある。

 

 

海上自衛隊のめちゃうまカレーレシピ48

気になってた本なので、図書館で借りてみた。

実際の海上自衛隊の各艦、各基地のカレーレシピ集である。

海上で作るため、限られた材料で工夫している、というレシピである。

 

ソクラテス・カフェにようこそ/クリストファー・フィリップス

たぶん読むのは2回目だろう。

ブログを始める前の頃だったと思うが、覚えていない。

ソクラテスの手法に従って、問いかけること、考え抜くことを、市民活動として行っている。

マルク・ソーテの本を読んだときに何となく違和感があって、改めて調べなおしたらこの本が以前読んだ本であったようだ。

こういった哲学カフェが日本でもできるのかは、ちょっと疑問だが、哲学を学問としてではなく思考メソッドの一つとして展開するというのは、ちょっと魅力的だとは思う。

 

 

 

旅の流儀/玉村豊男

旅に関する本が読みたくて、図書館で借りた一冊。

かつて、BRUTUS誌上で、玉村豊男氏の文章をよく拝見した。

フランス留学の経験があり、食やワインに関する蘊蓄があり、20代の頃に憧れを持って読んでいたように思う。

この本もまた、氏の経験を基にした洒脱なエッセイである、

「旅行読売」で連載していたものに、数編書下ろしを加えてまとめたようである。

どこかぶらりと旅をしながら読みたかったと思った。

 

江戸を歩く/田中優子、石山貴美子

この本も図書館で借りてみた。

何となく旅の本が読みたいと思った。

壮大な旅行記ではなく、小旅行のエッセイみたいなものが読みたいと思った。

この本は東京に残る江戸の痕跡をめぐるエッセイである。

写真も美しいが、江戸文化への切り込み方が鋭いと思った。

単なる江戸への憧憬だけではなく、背後の社会への視線が面白い。

 

アカルイうつうつ生活/上野玲

図書館で借りて読んでみた。

というのは、何か調子がおかしいなと思って、カウンセリングを受けたり、医者に行ってみたりしたら、軽度のうつと診断されたのが先週のこと。

とりあえず休めと言われて、諸々片づけて休みに入って、だいぶ気は楽になったが、まぁ、どんなものか判っていないのでとりあえず読んでみた。

そういえば本を読むことも減っていたっけ。

読んでみると8割ぐらいは当てはまる気がした。

ということはやっぱり、うつなのか、と再認識した。

とりあえずもう少しは休まねばならないようだ。

 

独ソ戦/大木毅

とあるニュース解説で薦めていたので、図書館で借りて読んでみた。

歳を取って歴史モノを手に取ってしまうのは、衰退の証じゃないかと思っているのだけれど、そんなことを言ったら歴史好きな友達はどうなんだ、ということになる。

ましてや戦記なんて性にも合わないし、普段は興味もないのだけれど、騒がしい世の中を見るためには必要な教養なのかも知れないと思った。

高校の授業で世界史は取っていたが、果たして第二次世界大戦は範囲内だったかどうかは覚えてはいない。

ナチス・ドイツスターリンソ連の戦争は今までの興味の範囲外であったが、読んでみて、なるほどこの本は面白いと思った。

一番のポイントは戦争を、通常戦争、収奪戦争、世界観戦争(絶滅戦争)の3軸で捉え、そのバランスで分析していくという考え方が面白いと思った。

戦史家にとっては一般的なことなのかもしれないが、これは今まで触れたことはない考え方だと思った。

そのうえで、ドイツとソ連の戦局を分析している。

そこでは政治的プロパガンダに染められた、何となく知ってるヒトラースターリンとは違った動きが明らかにされている。

もう一点は、作戦術Operatinal Artという概念である。

どうも軍事用語らしいのだが、これは今一つ理解できなかった。

この辺りは、もう一度読んでみようと思う。

ともあれ、戦争を仕掛ける奴が、どのカテゴリーの戦争を仕掛けているのか、というのを見極めるというのは有益な考え方なのではないかと思った。