雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

霧が晴れた時 (自選恐怖小説集)/小松左京


語り口

霧が晴れた時 (角川ホラー文庫―自選恐怖小説集)

霧が晴れた時 (角川ホラー文庫―自選恐怖小説集)


子供の頃の日本のSFと言えば、筒井康隆星新一小松左京だと思っていた。
その中でも、小松左京は「日本沈没」「復活の日」「さよならジュピター」といった近未来モノの大作のイメージがあった。
でも、それらは読んだことがない。
むしろ記憶に残っていたのは、この本にも収められている「くだんのはは」である。
それはSFと言うよりは、確かにホラーかもしれない。
そして、この本にはそういった作品が集められている。
改めて読んでみると、その語り口が何か違う。
それは3人称で語る話と、1人称で語る話での違いがありそうだ。
何となく1人称で語られる話のほうが良く出来ているような気がする。
やがて、筒井康隆は所謂「ブンガク」へ、星新一は思い出話へ、小松左京は未来学?か何かをやっていたようだ。
もう小松左京は忘れ去られてしまったのだろうか?