その昔、「ビックリハウス」という雑誌があったことは、たぶんもう忘れられているかもしれない。
ありきたりな言い方をすれば、サブカル雑誌ということになるのかもしれない。
糸井重里、栗本慎一郎、YMO、忌野清志郎、橋本治、高橋章子、榎本了壱、みうらじゅん(糸井重里のアシスタント)、ナンシー関、鮫肌文殊といった顔ぶれもそれっぽいかもしれない。
そのビックリハウスの企画の中で、半期に一度、「エンピツ賞」という文学作品を募集するのがあって、この本はその傑作選である。
改めて読み返してみると、その軽さがまずその特徴かもしれない。
文学についての既成概念ではなく、思いついたことをどれだけ広げられるか、そんな試みのような気がした。
もちろん、現在のようなWebで世界と直結できるようなしくみはない頃だから、この間口の広さは貴重だったのだと思う。
さて当時、中学生だった自分はというと、ビックリハウスを買い続け、いつかはエンピツ賞に応募したいと思っていた。
そして、ビックリハウスのくだらないことを真面目に、真面目なことをくだらなくする、そんな考え方に多分に影響を受けたような気がする。
- 作者: エンジンルーム
- 出版社/メーカー: Parco出版
- 発売日: 1984/01
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