怪談というのは、聞いている人の感情に訴えかける、古来のエンターテインメントであり、語りの力が影響するものだろう。
百物語とは怪談を持ち寄り、一話話す毎に蝋燭を一本づゝ消していき、やがて百本目が消えたとき怪異が出現する、という。
都内某所と伏せられているが、根津辺りの古い建物(旅館?料理屋?)にて開催されたようだ。
怪談の怖さには、因果応報の考え方が深く染み込んでいる。
もちろんそれが全てではないが、然るべき因果によって、恐ろしいことが引き起こされる。
理由もなく、不条理なことは起きない。(例外はある)
そこは底知れぬ夜の世界ではなく、因果に縛られた昼の世界の延長なのだ。
というか、昼の世界の延長だと了解することで、恐怖の感情を理性で理解し、安心をしている。
共通理解の枠組みの中に恐怖の感情を展開する。
では例外として置いておいた、因果律に縛られない恐怖の感情とは何か。
それは「怖いもの」を表す記号なのではないだろうか。