- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1992/07
- メディア: 単行本
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この本に出会ったのは、挟んであったレシートを見ると1994年であった。それまで四方田犬彦の名前は知っていても読んではいなかったと思う。学生の頃、晴海でアルバイトをしていた関係もあって、月島はとても馴染み深かった。(とはいえ、夜と早朝に通るだけであまり探索できていなかったのだが)この本は、月島を巡るさまざまな物語の集積であると同時に、90年代初頭の、月島が変わり始めた頃のドキュメンタリーでもある。月島における魅力は、下町の代表格という幻をまとい続けている、という点だろう。だが、幻でない下町も存在しないのだが。