神田の小間物屋の女将さんの日記を、大正時代の無名の作家が現代語訳した本が、自宅の屋根裏で見つかった、という物語。
額縁小説の体で、江戸の町民の1年間の生活が描かれる。
日常が描かれるから、特段のドラマチックな展開があるわけではない。
どちらかというとホームドラマ風のほのぼのとした物語である。
ある意味、メタ小説とでもいう構造なのだけど、ほのぼのとしている。
日記の体なので、細かな記述がない部分は脚注がついていて、江戸の庶民の生活、風俗を細かく解説してくれる。
でも、ほのぼのとしたホームドラマなのである。
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