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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

TOKYO NOBODY/中野正貴

東京

いつも見ていない本棚の端にあったので、引っ張り出して眺める。
誰も写っていない東京の街の写真集。
銀座、渋谷、新宿、池袋、青山、お台場、芝浦、どこにも人がいない。
普段は人が溢れかえっている繁華街に、人がいないということの違和感。
たぶんそれがねらいなのだろうと思う。
しかし、今、この写真集を見直してみると、違和感はそれだけではない。
この写真集に収められた写真は、1990年〜2000年に撮影されたらしい。
だから、今は存在しない企業の看板、例えば三和銀行、富士銀行、あさひ銀行、新日本証券が写っているし、街並みが今とは異なっていて、お台場は空き地だらけ、汐留には広大な貨物駅があって、舎人ライナーは建設中、首都高の入口にETCの表示は無いし、まるで東京に良く似た別の街の風景のようにも見える。
ちょうどその頃は、車の免許を取ったばかりで、交通量の少ない日曜日の朝などに、練習がてら都心をぐるぐる走っていたので、個人的な思い出として、ある種の懐かしさも蘇ってくる。
また忘れた頃に引っ張り出して眺めようと思う。


TOKYO NOBODY―中野正貴写真集

TOKYO NOBODY―中野正貴写真集