この本もまた、図書館で借りた。
歳をとって、向田邦子を読むようになった。
この本で扱われているテーマは、人生の機微のようなものだ。
歳を取ると些細なことにも涙脆くなる。
そんな些細なことに共感する自分がいる。
子供は大きな物語が好きだ。
例えばジュブナイルのような善と悪、光と闇が対立して抗争するが勝者がいるような物語だ。
ちょっとひねってどんでん返しがあっても、構図が変換されるだけで、大きな物語としては変わりはしない。
この本に出てくるのはそういうものではない。誰が勝ったというのでもない。
そういう物語は大人でないとわからない。