雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

無敵のソクラテス/池田晶子

ふと、池田晶子氏の著作が読みたくなり購入。

500頁2段組みなので、1,000頁相当の大著であり、ソクラテスシリーズの全作品が入っている。

対話篇という形式は、私という存在を韜晦するのに相応しい。

ソクラテスに語らせながら、「私」という存在を巡って、考えを深めてゆく。

時事ネタもありつつ、私は何者であるのかを問い続ける。

哲学とは考え続けることであり、考えることなしに示すことのできる何かではないということをソクラテスに言わせている。

1,000頁相当の大著を数行にまとめて語ることなどできないけれど、そのまとめられない考える過程こそが哲学なのだということであろう。

また、面白いなと思ったのは、家族に対する人称の考え方で、子供自身が1人称とするなら、母が2人称であり、父親が3人称であるという考えを展開している。

何となくフロイトドゥルーズ=ガタリオイディプス構造を連想した。