自分がこうして向田邦子を読んでいるなんて、10代の頃には夢にも思わなかった。
この本は4篇の短編小説とその他エッセイを集めたものだ。
向田邦子は好きかと訊かれても、特に好きでもないと答えるだろう。
だが、なんでもない日常の表面のざわめきのようなものを描く作品は上手いなぁと思う。
そして、その捉え方というか、表現の仕方というか、そこには明らかに女が現れている。
性差別をするつもりもないし、おちょくっているつもりもないのだけれど、女にしか表現できないもの、そして女としか言いようの無いものがあると思う。
さらにそれは若い女には無い、そこはかとない婀娜っぽさがあるような気がする。
これも年を取ったから判るようになったということだろうか。
