幼い頃の感覚はいつまで残っているのか
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/10
- メディア: 文庫
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実は太宰治は好きな作家ではない。むしろ、高校生ぐらいの頃は、積極的に嫌いだと公言していた。でもそれより前の、中学生の頃、当時の友達が薦めてくれたので何冊か読んだ。あまり学校にも来ないで、煙草を吸ったり、バイクを乗り回しているような友達だったが、時々、近代文学の話をしていた。この本はその頃に読んだうちの1冊ではある。だが、あれから何年も経っているが、やはり好きになれない。この本は、「人間失格」や「斜陽」のような雰囲気が少ないと思って読み返してみたのだが、やはり駄目だった。気取りや自嘲、自分をさらけ出す、と言うポーズとか、なんだろうか、そのスタイルというか、くさい芝居を見ているようなそんな、鼻白む感じがしてしまう(かといって、迫真の演技を期待している訳ではないのだが…)。太宰治は文学史上は著名であり、素晴らしい作品を残したのではあるが、何年も経って、人生経験を積んでも、自分の中での評価として、中学生の頃に感じたものと読み返して感じるものが、そう離れていない気がするのは何故だろうか?そういうものなのだろうか?