気になっていたので、図書館で借りてみたのだけれど、正直なところちょっと期待はずれだった。
一言で言うなら、アナルコキャピタリズムの概説である。
笠井氏が繰り返してきた観念批判の延長線として、アナルコキャピタリズムに行き着く論理は、なるほど納得がいくものだ。
だがこの本では、アナルコキャピタリズムに沿って考えるならこうだろう、という事項が連なっていく。
それは十分納得のいくものもあり、そうか?と思うものもある。
だがそれだけのような気がしてしまう。
論理が粗雑な部分もあるのだけれど、そういった類の本なのだと思うと、いったい笠井氏は何を意図していたのだろう。
ネタとしては十分なのだけれど、練れていない、あるいは消化不良な感が否めないと思うのだ。
国家民営化論―「完全自由社会」をめざすアナルコ・キャピタリズム (カッパ・サイエンス)
- 作者: 笠井潔
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1995/11
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国家民営化論―ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫)
- 作者: 笠井潔
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2000/12
- メディア: 文庫
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