雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

同志少女よ敵を撃て/逢坂冬馬

話題になってた本を借りてみた。

とは言え、3か月待ちだった。

借りたら一気に3日で読み終えてしまった。

あらすじを書くのは無粋だが、第二次世界大戦における独ソ戦に巻き込まれ、狙撃兵として成長していく少女の冒険小説といった体だが、ウラヌス作戦、スターリングラード市街戦、クルスク、ケーニヒスベルグといった都市攻防の戦況が現場の狙撃兵、歩兵からの視線で描かれる。

戦争は決して容認されるべきものではないが、戦う理由を主人公らは問われ、自問し続け、そしてその答えを見つける時間すらなく戦う。

またこの小説のエンターテイメント性は、物語の組み立てだけでなく、ストーリーテリングとしての語り口もさることながら

女性論、戦争論、民族論としての主張が、主人公らの口から語られているところだろう。

面白い小説であった。