シュルレアリスムの本を読み漁ったころには、既に手に入らなくなっていた小説のシュルレアリスムシリーズなのだが、最近、ふと思い出して検索してみたら手に入った。
便利な世の中になったものだ。
スーポーはブルトンとの「磁場」でしか読んだことが無かったと思う。
この小説は、デヴィッド・オーブリーなる人物の回想録で、世界各地を旅をして、波乱万丈な人生が語られる。
物語であり、旅であり、デヴィッド・オーブリーの人生が、シュルレアリスムであるのかどうかというと、シュルレアリスムではないと思うが、様々な出来事に流されるような回想録は、ある種、日本の無頼派の小説に近いものを感じる。
ブルトン的なシュルレアリスムとは異なるが、スーポー的なシュルレアリスムの解釈として面白い。