久しぶりに読み返してみる。
晩年の吉本隆明の日本近現代詩の解説である。
口述筆記のおかげか、平明で分かりやすい言葉が選ばれていると思った。
必ずしも年代順に系統立てて紹介しているわけではないが、話の流れのようなものはある。
現代の(とは言っても90's)歌謡曲も謡の観点で紹介するのはなるほどなと思うものの、ちょっと違うんじゃないのか、と思うものもある。
ちょっと疑義を挟むと、全てが疑わしくなってしまう。
おそらく、詩の価値というものは、個人的な経験や好みに大きく左右されてしまうものなのではないだろうか。
もし、詩の要素を分析して評価を加えるスタイルを一貫していたら、そうは思わなかったかもしれない。
良くも悪くも口述筆記の影響を受けているのだろう。