雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

思い出トランプ/向田邦子

酔っぱらったときに買った一冊。

13篇の短篇小説集。

だから、トランプなのだと読み始めて気づいた。

向田邦子を読むようになったのは30代後半からだった。

本当に面白いと思えるようになったのは40代後半以降かもしれない。

この本も読んだつもりでいたけれど、エッセイばかり読んでて、初読だったかもしれない。

物語の中心となる女性の視点は、少し意地が悪い。

たぶんそこに、向田邦子らしさが現れているように思う。

単純にリアリズムというのではないが、向田邦子から見た女性の本質といったものが込められている。

しかも、年代的にも40〜50代と思われる、人生の悲哀のようなものが浮き彫りになっていると思うのだ。