雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

蒼い時/山口百恵

幼い頃にTVで観ていたし、結婚のニュースも引退コンサートもリアルタイムで知っていたけれど、山口百恵とはどんなアイドルだったのかを説明できるほど知らない。

当時の人気も、宇崎竜童&阿木燿子のヒット曲も知っているけれど、それは山口百恵その人を知っていることにはならないのではないか、という気がした。

ブッ◯オフで見かけて、ちょっと読んでみようかという気になったのは、そんな気持ちの揺れがあった。

21歳の山口百恵が出生からの半生、そして結婚、引退への思いを綴っている。

文筆業の人ではないので文章の上手さがどうとかいうことではなく、語るのが苦手な感じがした。

たぶん大上段に構え過ぎて、「私」というものが硬直しているのだろう。

今のようなブログやSNSが発達する前の世界で、文章を発表するということのハードルの高さも関係あるだろう。

そもそもこの本が書かれたのは、50年前だという時間の隔たりを思うと、全く異なる世界の話にさえ見えてくる。

いま彼女はどうしているのか、今の声、今の自分語りを聞いてみたい気もする。