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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

転がる香港に苔は生えない/星野博美

香港が騒がしい。
民主化要求デモが衝突騒動にまで発展している。
そんなニュースを聞いて、この本をもう一度読み返してみようと思った。
この本は、中国返還前後の星野博美によるルポルタージュだ。
とはいえ、政治的な意図があるのではなく、自分の皮膚で感じた香港の人々の生活が、丹念に描かれている。
この本を読むと、香港に行ってみたくなると同時に、そこに暮らすことになったらまともではいられないだろうという著者の気持ちがよく判るような気がする。
だが、もうひとつのありうべき人生のひとつとして、中国に暮らすというのは想像できないものではない。
少なくとも、アメリカやロシアに暮らすよりは、よりリアルに感じる。
そして、韓国よりも中国の方が近い感じがする。
しかし、香港の民主化運動はこれからどこに向かっていくのか。
対話と道路封鎖というカードを切りつつ、暴力をちらつかせる駆け引きをしながら、互いに腹を探り合っている感じがするのは、現地の事情に明るくない日本人という私の偏見だろうか。


転がる香港に苔は生えない (文春文庫)

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)