雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ふるさとの手帖/かつお

だいぶ前に買ったのだけれど、一気に読んでしまうのがもったいなくて、ちびちびと読んでいた。

けれど読書というのは、ある程度、まとまった時間をかけないと読んだ気にもならなくて、たかだか数ページ読んで閉じてを繰り返していても、感想も何も生まれないだろうという気もするのだ。

コロナ療養後、派手に呑み歩く訳にもいかず、人混みに乗り込んでウィルスをまき散らしていないとも言い切れない中途半端な時間なので、だらだらと家で時間を過ごしながら読み進めてみた。

ホンダのスーパーカブで全国の市町村をすべて周るという旅を行い、写真を撮ってきた、という本である。

とはいえ、観光案内という訳でもないが、旅行記というほどの体でもなく、むしろ各地の日常の写真集のような本だ。

どの写真も凄く日常的で、何か決定的な瞬間を写しているというものではないところが、凄く良い感じだと思った。

人生の大半はそういう時間の積み重ねであり、日本全国の市町村のそんな時間を写してきた、という写真集なのだと思う。

行ったことのあるところもあれば、行ったことの無いところもあり、今住んでる町、昔住んでいた町、そういったものもすべて日常に埋もれている感じが良い。