星野博美を知ったのは、このブログをはてなに引っ越した頃に見ていた、とあるブログだったと思う。
そのブログがどこだったかもう覚えていないが、おそらく同年代だろうと思われるブロガーが、星野博美にシンパシーを寄せていたのを覚えている。
かれこれ10年近く前だと思うのだけど、それからしばらくして何冊か自分でも読んだのが数年前のことだ。
本を手に取る波みたいのがあって、何となくまた読みたくなった。
この「コンニャク屋漂流記」は、祖父の手記から自分のルーツを探すエッセイである。
外房の岩村田、戸越銀座、そして和歌山の加太を巡る。
家族の物語でもありながら、街の記憶でもある。
祖父の足跡と小林多喜二の足跡が交差するとか、ルーツ探しだけではない側面もまた面白い。
祖父に対する想い、同郷の親戚らへの想いから、いささかファナティックに語られる想像の歴史はちょっと違うような気もするが、面白いと思う。
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