のほほんと儚く愛らしいもの
- 作者: 杉浦日向子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/11/30
- メディア: 文庫
- 購入: 14人 クリック: 56回
- この商品を含むブログ (97件) を見る
杉浦日向子の描く江戸の世界は、のんびりとして、現実から浮遊したような感じがする。それは優れた物語作者だからということなのだが、それを気づかせないためか、元々なのか、マンガとしての絵の質の浮遊感がある。
この本で語られる怪談は、さまざまな百物語から選りすぐられた怪異譚に違いないのだが、どれも浮遊感があるのだ。恐ろしい話に違いないのだが、どこかのほほんとして、儚く、愛らしい。
そのギャップが楽しくて、何度も読み返してしまうのだ。