雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

時の輪―古代メキシコのシャーマンたちの生と死と宇宙への思索/カルロス・カスタネダ


要約すると

時の輪―古代メキシコのシャーマンたちの生と死と宇宙への思索

時の輪―古代メキシコのシャーマンたちの生と死と宇宙への思索


カルロス・カスタネダの師であるドン・ファンは実在しないとか、カスタネダ自身もインチキだとか、そんな議論もあるようだが、カスタネダの一連のドン・ファンものは、主人公が成長する古典的な教養小説としても読める魅力がある。
この本はそんな、ドン・ファンの言葉だけを集めた本なのだが、著者の意図とは違ったものになっている。
ドン・ファンのエッセンスだけを集めれば、ワインを蒸留してブランデーが作られるかのごとく、高濃度の旨味だけが残ると考えたのかもしれないが、そもそもの主人公が成長する物語的な魅力がなくなってしまい、言葉だけが中を彷徨っているような感じだ。
それとも、そんな読み方をしていること自体が間違いなのだろうか?
再読してみたものの、やはり本編の魅力とは異なった印象なのであった。