雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ全短編〈3〉/アーネスト・ヘミングウェイ


やはりそうか

蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ全短編〈3〉 (新潮文庫)

蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ全短編〈3〉 (新潮文庫)


全短編集の第3巻目である。
生前未発表の作品も含む。
やはり、ヘミングウェイは死がテーマなのだと思う。
予期せぬ死、突然の死、無意味な死、死の価値が奪われる悲惨さ、死に触れることでの成長、そういった作品なのだと思った。
晩年のヘミングウェイは、バハマに暮らしたという。
そして、最後は猟銃で自殺してしまう。
死とは何か、ではない。
死に意味がなかったり、死も生もその価値の無さを露呈してしまうようなエピソード、そういった小説なのだと思う。
それはカタルシスの無い、昏い考えでは無いだろうか?
そしてそれもまた、何かしらの真実があるように思う。