紛争とか対立とか
- 作者: アーノルドミンデル,永沢哲,Arnold Mindell,青木聡
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/09
- メディア: 新書
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対立を恐れるのではなく、対立の上に互いを思いやることを推進していこうとする、「ワールドワーク」について書かれている。
プロセス志向心理学(POP)に興味が無かったら、この本はちょっとどうかと思うだろう。
ミンデルの唱えるドリームボディも出てくる。
人間は意識的なメッセージの他にも、身体反応かのようにメッセージを伝えている。
それは、本人すら意識しないところで発されている。
ワークのファシリテーターは、それらに着目し、互いのメッセージの交換を促す。
また、多数派が意識しない「ランク」の概念に着目する。
恵まれている者はそれだけで権力や影響力を握っている。
それに気づかないことで少数派は傷ついているのだという。
この本で取り上げられる、民族紛争、人種差別、虐待、といったテーマは重い。
それらに対してのミンデルのメッセージは、対話を繰り返すことだと言う。
しかも、言葉だけのではなく、身体的なメッセージをも含め、そこで起こる対立や軋轢にも着目し、互いに理解し合うことを促そうとしている。
ミンデルの考えは、ニューエイジ的な流れの中にありつつ、来るべき「深層民主主義」という方向に向かっているようだ。
それはいかなる世界をイメージしているのか判らないが、新しいユートピア思想でないことを願いたい。