詩の極限に向かって
- 作者: 金沢一志
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2002/11
- メディア: ハードカバー
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北園克衛を知ったのは、高校の頃だったろうか。
日本におけるシュルレアリスムとして、西脇順三郎や安西冬衛、古賀春江、岡本太郎といった詩人、画家たちにたどり着く中で、その抽象性が際立っていたのが、北園克衛だった。
北園克衛の詩には、心情とか意味とか描写といった、詩における(どちらかと言えば)ウェットな面がことごとく排除されているように思った。
純粋な言葉と、言葉の配置によるイメージ、そういった詩なのだと理解した。
この本では、その北園克衛が晩年の頃に作っていた写真による「プラスティック・ポエム」やアートワークとその解説である。
ここにあるのは「写真」ではなく、「詩」なのだという。
それらを眺めていると、叙情的でありながら、その抽象性にクラクラしてくるのだ。