向田邦子氏は親戚の叔母さんのような印象がある。
実際、自分の親たちと生年が近く、東京生まれではあるけれど、それだけではないような気がしている。
この本は、生前に週刊文春で連載されていた「女の人差し指」を中心に、未刊行だったエッセイを集めた本らしい。
台湾での航空事故で急逝されたニュースは朧げに記憶している。
様々な短いエッセイの寄せ集めながら、ここには向田邦子氏の姿が浮かび上がるようだ。
その具体的なイメージが親戚の叔母さんなのだ。
そんなに親しくは無いけれど、何年かに一度は会うし、会ったら自分の親とは違う、でもどことなく親たちと似たものの見方の話をする、そんな人だ。
前にも書いたと思うが、若い頃には向田邦子氏の文章の良さが分からなかった。
年を取ってから分かるものの一つだと思っている。
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