雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

女の人差し指/向田邦子

向田邦子氏は親戚の叔母さんのような印象がある。

実際、自分の親たちと生年が近く、東京生まれではあるけれど、それだけではないような気がしている。

この本は、生前に週刊文春で連載されていた「女の人差し指」を中心に、未刊行だったエッセイを集めた本らしい。

台湾での航空事故で急逝されたニュースは朧げに記憶している。

様々な短いエッセイの寄せ集めながら、ここには向田邦子氏の姿が浮かび上がるようだ。

その具体的なイメージが親戚の叔母さんなのだ。

そんなに親しくは無いけれど、何年かに一度は会うし、会ったら自分の親とは違う、でもどことなく親たちと似たものの見方の話をする、そんな人だ。

前にも書いたと思うが、若い頃には向田邦子氏の文章の良さが分からなかった。

年を取ってから分かるものの一つだと思っている。