雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

この人の閾/保坂和志


つづいている

この人の閾 (新潮文庫)

この人の閾 (新潮文庫)


何となく気になって、保坂和志のデビュー作を買う。
この人は会話体が上手いと思っていたのだが、それは何となくピントがずれた言い方のような気がした。
地の文と会話が続いているような感じ、という感じだろうか。
意識の流れの中に会話があり、会話だけでは意味をなさず、あくまで主人公の意識の流れに焦点はあるようだ。
また、年齢設定が30〜40代というのは、こだわりがあるように思う。
前に読んだ「カンバセイションピース」も、40代の主人公だったか。
そして、あくまで物語性を排除したがっているかのような、起承転結の無さがある。
なぜかこの本を読むたびに眠くなって、たった200ページちょっとの本に3日以上もかかったのだった。
退屈ではないのだが、心地よいビート感に包まれるというか、ミディアムテンポのハウスを聴いているような。